函館市教委 端末活用し遺跡学習 縄文電子ブックを作成 土器や土偶を拡大・回転し観察
(市町村 2023-06-06付)

函館市教委縄文学習向けのデジタルブック制作
360度回転で土偶の詳細を観察できる(クリックすると拡大表示されます)

 【函館発】函館市教委は、市内の小学生が縄文遺跡を学べるデジタルコンテンツ「はこだて縄文デジタルブック」を作成した。児童が1人1台端末を活用して学習できるよう、土器や土偶を拡大したり、360度回転させたりして観察できる仕様となっている。縄文人が暮らした竪穴住居の内部映像もCGで再現。遺跡見学や事後学習の一連の流れを通して、児童の学びの深化につなげることができる。

 市立小学校では、3年生の総合的な学習の時間に垣ノ島遺跡と大船遺跡など縄文文化交流を見学する地域学習を展開している。

 こうした学習に活用できるよう制作したデジタルブックは、事前学習、現地見学、振り返り学習の3部で構成。

 事前学習では、土器や土偶、石器の画像を拡大したり、360度回転させたりすることができるため、土器の縄文様や土偶の空洞などを詳細に確認することが可能となっている。

 また、両遺跡上空をドローンで撮影した映像や縄文時代の長い歴史を一目で可視化できる年表などのコンテンツを導入。

 現地見学では、縄文人の生活などに触れることができる竪穴住居のCG映像にアクセスできるなど、見学先について理解を深められる構成となっている。

 垣ノ島遺跡では、位置情報機能を通じて縄文の暮らしや発掘現場を確認できるAIコンテンツを導入しているが、これまで位置情報機能がない児童の1人1台端末では同コンテンツを確認することができなかったため、今回の導入で縄文時代の暮らしを再現した一部のコンテンツが確認できるようになった。

 振り返り学習では、遺跡見学で得た知識をもとに回答する問いを設定しており、理解度を確認できる仕組みとなっている。

 市教委によると、市内小学3年生の地域学習はこれから本格化する予定。木村元子文化財課長は「小学生だけではなく、修学旅行で訪れる市外の児童生徒などにも広く活用してもらえれば」と話している。

(市町村 2023-06-06付)

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