道半導体人材育成等推進協が初会合　道内高専や大学と連携　ＡＩ等幅広い専門人材育成へ

（道・道教委 2023-06-09付）

道半導体人材育成等推進協議会初会合

　道経済産業局は２日、次世代半導体開発・製造のＲａｐｉｄｕｓ㈱（東京）の千歳進出を受けて、産官学でつくる「道半導体人材育成等推進協議会」の初会合を札幌市内で開いた。同社の小池敦義社長は「ＡＩの知識やデータサイエンスの基礎を習得した幅広い専門性を備えた人材が必要だ」と強調。道内の高専や大学などでの人材育成に向けて連携することを確認した。

　ラピダスは、日本の半導体産業の復活を目指して昨年８月に設立した。ＡＩや自動運転に使う回路線幅２ナノメートル相当の微細な次世代半導体を、令和９年度をめどに量産化することを目指す。

　関連企業を含めると従業員は数千人規模になる見通しで、協議会は半導体人材の育成と確保をねらう。大学や高専など１２の教育機関を含む産学官３２機関で組織する。

　初会合には約７０人が出席した。

　オンラインで参加した同社の小池社長は、電気・電子、材料、物理などの専門分野に加えて、ＡＩやデータサイエンスを活用できる人材を求めていると強調。「次世代半導体を使った新しい何かを創造できる人材を育てる必要がある」と訴えた。

　北海道大学の山口淳二副学長は、同大が作成したデータサイエンスの教育プログラムが道内他大学や高専でも使われており、連携が進んでいると説明。同様の仕組みが半導体人材の育成にも適用できるとした。

　道の土屋俊亮副知事は、独自の取組として、九州での先行事例を参考に、道立高校、特に工業高校や高等技術専門学院で半導体に関するプログラムを教育体制に盛り込む考えを示した。子ども向けのＰＲイベントを開催するなど、幼少期からものづくりに対する関心を持ってもらう取組も必要とした。

　また、道経済連合会の真弓明彦会長は、７月をめどに仮称・道新産業創造機構を設立することを表明した。協議会と連携した人材育成に取り組むため、道内の金融機関やエネルギー企業などに参加を呼びかける。

　本年度の会議は３回を予定。次回は秋ごろ開き、ラピダスや関連企業が必要とする人材の人数や求める技術水準などについて報告する。

(道・道教委 2023-06-09付)