石狩局 第1回EBE協議会 全ての子活躍の授業を 安栄指導監、菅原課長講話など
(道・道教委 2023-06-09付)

石狩局第1回EBE協議会
石狩局第1回EBE協議会

石狩教育局は6日、道教委のエビデンスに基づく資質・能力育成事業のもと、第1回EBE協議会をオンライン開催した。石狩局の菅原巧教育支援課長がエビデンスに基づいたPDCAサイクルの重要性を説いたほか、安栄智裕義務教育指導監が「対話を重視することで、全ての子どもが活躍する授業の実現が可能になる」ことを解説。札幌市を除く管内の小・中学校と義務教育学校の校長ら約100人と、オブザーバーとして管内公立高校長および特別支援学校長5人が参加し、協議を通して学力向上等の取組における具体的な方針を明確化した。

 同事業は、小・中・高12年間を一体的に捉えた児童生徒の学力や学習状況等の分析結果を踏まえ、組織的な授業改善や学力向上等に向けた校内体制の整備、具体的な授業改善の方法などに関する説明や協議により、管内の児童生徒に必要な資質・能力の育成に資することが目的。道教委の新規事業〝子どもたちの未来を拓く”学びのトランスフォーメーション推進事業の一環として行っている。

 はじめに、菅原教育支援課長がエビデンスに基づく子どもたちの資質・能力の育成に向けた取組について説明。①エビデンスに基づく学力向上の取組②効果的な取組の根拠となるデータ③エビデンスに基づく学力向上の具体的な取組例―の3点を重点に解説した。

 ①では、学力向上に向けて各校で設定するPDCAサイクルの質を向上させる必要があるとして、学校の変容を客観的なデータで分析したり、過去のデータをもとに効果的な取組を検討したりするなどエビデンスに基づく取組の重要性を説いた。

 ②では、自分の考えをまとめたり、伝わるように工夫して発表したりする児童生徒の平均正答率が高いことを紹介。ICT機器の活用を含めた対話をする取組を採用することで、深い学びを実現できる可能性が上がることを説明した。

 ③では、エビデンスに基づくPDCAサイクルの取組例を示した。エビデンスをもとに課題を洗い出し、改善策・取組徹底の指標、変容確認の指標を設定する必要性を説明。年度途中で授業アンケートを実施し、取組の見直しを図ることも重要とした。

 続いて、安栄義務教育指導監が管内で推進する学力向上等の取組について説明。「対話を重視することで、全ての子どもが活躍する授業の実現が可能になる」とし、伸びしろ層に対する効果的な対話例とともに、定着層を含めた質の高い対話の実践例を紹介した。

 その後、授業改革に向けた調査問題の活用について説明。「児童生徒の実態把握に向けた調査問題の活用」「教師の指導力向上に向けた調査問題の活用」の2つの視点から授業改革の方向性を検討することを説いた。

 安栄義務教育指導監は「授業改革055!の取組をさらに充実させ、対話を重視し“教える”から“学び取らせる”授業観の転換と、ICTを活用して個別最適な学びと協働的な学びを一体的に推進することで、資質・能力を確実に身に付けさせる学力保障をしていくことが大切」と述べた。

 このあと「児童生徒に必要な資質・能力の育成に係る自校の取組」について北広島市立東部中学校の佐藤直己校長と恵庭市立恵み野小学校の中田和彦校長、当別高校の保格秀規校長が実践発表。演習・協議では、各学校における学力向上や、学習習慣の定着に向けた取組について、各校が授業改革055!に向けた具体策を提示。今後の方針の明確化を図った。

(道・道教委 2023-06-09付)

その他の記事( 道・道教委)

障がい別エントリーコース 7月14日申込締切 7部会の開催日程 特セン

 道立特別支援教育センターは、本年度新たに開設した「特別支援教育障がい別エントリーコース」における各障がい別部会の開催日程をまとめた。7月28日に開催する言語障がい部会を皮切りに全7部会を実...

(2023-06-13)  全て読む

道都市教委連等 文教施策要望 6年度8分野63項目 部活動地域移行への支援など

道都市教委連  道都市教育委員会連絡協議会(会長・檜田英樹札幌市教委教育長)、道都市教育長会(同)は8日、道庁別館で6年度の文教施策に関する要望書を道教委に提出した。檜田会長が、部活動の地域移行に向けた支...

(2023-06-12)  全て読む

医療的ケア実施校校長等会議 要項見直しへ検討開始 手続きの迅速・効率化へ協議

 道教委は8日に道立特別支援学校における医療的ケア実施校校長等会議を開き、道立学校における医療的ケア実施要項の見直しに向けた検討を開始した。転入学時の引き継ぎ期間の短縮に向けて各校の現状や課...

(2023-06-12)  全て読む

道教委 第2回全道代表高校長研 5類移行で活動再開を 高校総体成功へ協力求める

全道代表高校長研  道教委は8日、札幌市内の道自治労会館で第2回全道代表高校長研究協議会を開いた=写真=。開会あいさつで山城宏一学校教育局指導担当局長は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行後の学校教...

(2023-06-12)  全て読む

道立生涯学習センター 研修計画 7月に5道県研修会 社教主事講習A・Bなども

 道立生涯学習センターの5年度主催研修事業計画がまとまった。北海道・東北4県の生涯学習センター職員を対象にした「北海道・東北5道県生涯学習センター等研修交流会」が7月に開催されるほか、文部科...

(2023-06-09)  全て読む

政府 骨太の方針2023原案 教員処遇 抜本的に改善 調整額見直しなど制度検討へ

 政府は7日の第8回経済財政諮問会議で、経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太の方針)の原案を示した。「令和型の質の高い公教育の再生」を掲げ、教職調整額の見直しや職務の負荷に応じた給与体...

(2023-06-09)  全て読む

道半導体人材育成等推進協が初会合 道内高専や大学と連携 AI等幅広い専門人材育成へ

ラピダス初会合  道経済産業局は2日、次世代半導体開発・製造のRapidus㈱(東京)の千歳進出を受けて、産官学でつくる「道半導体人材育成等推進協議会」の初会合を札幌市内で開いた。同社の小池敦義社長は「AI...

(2023-06-09)  全て読む

上川局 第1回EBE協議会 エビデンス 効果的活用を 依存しないことがポイント

上川教育局EBE協議会  【旭川発】上川教育局は7日、オンラインで第1回EBE協議会を開いた。管内全ての小・中学校長、義務教育学校長および公立高校長ら約180人が出席。エビデンスに基づく子どもたちの資質・能力の育成...

(2023-06-09)  全て読む

函館市教委 本年度の小学校水泳 バス確保困難で中止に 心得等の学習機会設定を通知

 【函館発】函館市教委は本年度の小学校における水泳学習を中止する方針を固めた。プールを設置していない学校が、設置している学校への移動手段としていたバスの台数を十分に確保できないことを要因とし...

(2023-06-09)  全て読む

道保健福祉部 国の施策予算要望 財政措置、人材確保等 0~2歳児無償化対象に

 道保健福祉部所管の国の施策および予算に関する提案・要望がまとまった。子ども・子育て政策の抜本的な強化・拡充に関する事項として、子ども・子育て政策への財政措置の充実、子ども・子育て支援新制度...

(2023-06-09)  全て読む