石狩市5年度教育行政執行方針 新たなAIドリル導入 各層に応じ対話重視の指導(市町村 2023-06-13付)
佐々木隆哉教育長
石狩市教委の佐々木隆哉教育長は5年度教育行政執行方針において、確かな学力の育成に向けて「伸びしろ層・中間層・定着層の各層に応じた指導と対話重視の指導」など3点を重点的に取り組む考えを示した。児童生徒一人ひとりが学習進度や理解度に応じた復習を効率的に行えることを目指し、新たなAIドリルを導入する。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【目標Ⅰ 自ら学ぶ意欲を持って、主体的に社会に関わり、新しい時代を生きる力を育てる】
▼新しい社会で生きる力の育成
新学習指導要領の趣旨を踏まえた確かな学力の育成のため「基礎的・基本的な知識および技能の習得」「個に応じた指導の充実」「言語活動の充実」「学習習慣の確立」の4点を柱とした取組を進め、カリキュラム・マネジメントの確立を図る。特に「国語科の読むこと領域の課題解決」「教科指導における小中連携の推進」「伸びしろ層・中間層・定着層の各層に応じた指導と対話重視の指導」を重点に取組を進める。
1人1台端末活用の場を家庭にも広げ、家庭学習への動機付けや臨時休業等における学びの保障を確かなものとし、スクリーンタイムを学習時間に置き換える機会の創出を図る。さらに、新たなAIドリルの導入によって、児童生徒一人ひとりが学習進度や理解度に応じた復習を効率的に行えるようにし、個別最適な学びのより一層の充実と基礎学力の定着につなげていく。
新時代の学びを支える指導体制の充実を図るため、エキスパートサポーターや外部指導者、スクール・アシスタント・ティーチャー(SAT)等の効果的配置などによって、児童生徒一人ひとりに対する指導体制を確保し、学習意欲の向上を図る。
児童生徒の実態や保護者の意向を踏まえ、一人ひとりの教育的ニーズに応じた途切れのない一貫した支援を行うため、就学前の教育相談の実施や、個別の教育支援計画および個別の指導計画の活用によって、計画的・組織的な教育活動を推進する。また日常的に医療的ケアを必要とする児童生徒が地域で教育を受けられるよう、看護師等を学校に派遣する体制を整備する。
▼学びをつなぐ学校づくり
幼児期の学びと育ちを義務教育へとスムーズにつなげるため、認定こども園等と小学校の連携を強化し、各小学校で策定するスタートカリキュラムの実施と見直しを図り、幼児期から中学校段階までを見通した教育を進める。
部活動の在り方は、市の実情を踏まえ、将来にわたり持続可能な活動の場を確保するため、地域のスポーツ・文化関係団体、学校などからなる協議会を設置し、検討を進める。
教員の働き方改革では、業務の精選や校務へのICT活用を学校に呼びかけるとともに、外部人材の活用、1年単位の変形労働時間制の導入、時間外在校等時間の公表などの取組を進める。
【目標Ⅱ 思いやりと豊かな心・健やかな体をもって、多様な人々と共に支え合う人を育てる。】
▼健やかな成長を促す取組の推進
校則については、社会の変化を踏まえつつ、教育目的に照らした妥当性を定期的に見直す機会に、児童生徒を参画させるよう学校に働きかける。
多様で適切な教育環境の確保に向け、スクールソーシャルワーカーと家庭生活支援相談員による教育と福祉が連携した支援を継続する。さらに、学校復帰を踏み出そうとする不登校児を後押しするため教室とは別の場所を活用した別室登校を展開する。加えて個別の学習支援や相談支援に対応するための教育支援員を新たに配置する。
いじめ防止や不登校児童生徒への支援も含め学校が組織で対応し、スクールカウンセラー等を活用した教育相談につなげ、未然防止と早期発見・対応に努める。
【目標Ⅲ ふるさとへの愛着を持ち、幅広い視野で新しい価値を創造し、活躍する人を育てる】
▼学びを生かす地域社会の実現
学校・家庭・地域が一体となって、次代を担う子どもを育てる体制の充実を図るとともに、学校を核とした地域づくりを推進するため、学校支援ボランティアの確保と、地域コーディネーターのさらなる人材の掘り起こしに努める。
▼ふるさとを学ぶ機会の充実
ふるさと石狩への愛着と誇りを持つことができるよう、総合的な学習の時間での学習活動やテーマ展、体験講座、野外講座などの開催に加え、旧石狩小学校円形校舎の公開や、資料館、道の駅の情報コーナーを活用した情報発信を通して、ふるさとを学ぶ機会の充実を図る。
(市町村 2023-06-13付)
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