中2男以外14管内で最高値7年連続 全校種で全国平均超 檜山管内 4年度体力合計点(道・道教委 2023-06-22付)
【函館発】道教委がまとめた4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版調査報告書で、檜山管内の体力合計点は全校種で全国平均を上回った。中2男子以外の全校種が14管内で最高値を記録したのは未実施の元年を除き7年連続。小学校では、授業冒頭に児童の課題に応じた多様な運動を数分間取り入れるサーキット運動などが浸透しており、各校で調査結果を活用した授業改善を推進している。総合型地域スポーツクラブを通した異年齢との運動機会が充実している地域もあり、教育関係者は「エキスパート教員による指導力の普及」「異年齢で運動に親しみを持たせる環境」「学校教育と社会教育の融合」など、小規模校の特性を生かした取組を成果の要因として挙げる。
調査には、管内7町の17小学校、10中学校における小5と中2の児童生徒180人が参加した。児童生徒を対象とした質問紙調査では「運動やスポーツをすることが好き」との質問に肯定的に回答した割合が全校種で全国平均超。「体育・保健体育の授業が楽しい」との質問では、中2女子以外の全校種で全国平均を上回る肯定的な回答を得た。
学校質問紙調査では、8割以上の小・中学校が毎時間から月1回程度、体育・保健体育の授業でICTを活用していると回答。「3年度の調査を踏まえ、授業等の工夫改善を行った」と答えた学校の割合は小学校が100%、中学校が約90%となっており、授業改善に向けた意欲の高さがうかがえる。
檜山教育局の井田昌之義務教育指導班主査は檜山の運動能力が高い要因について「全学年1学級の小規模校の管内では、他管内と比較し、児童生徒の運動量が1時間の授業内で多く確保できる」との利点を挙げ「体育エキスパート教員などの効果的な指導が研修等を通して徐々に普及している」と話す。
エキスパート教員を務める山本貴幸教諭の勤務校・厚沢部町立厚沢部小学校では、調査結果の課題を踏まえた授業改善を推進。児童が苦手な運動領域を重点に、授業冒頭の3分間で多様なバリエーションを組み合わせた「サーキット運動」を導入しているほか、奥尻町立奥尻中学校などでは1人1台端末を活用した動画撮影で生徒が自らの課題を教職員と振り返る場を徹底している。
こうした実践は檜山局の独自研修「オール檜山学び合いプロジェクト」等で共有。教員定数によって教科担当の教職員が各校1人程度となっている管内で他校の実践を広く共有できる体制を確保している。
管内7町のうち、全校種が全国平均を超えた今金町では、スポーツ少年団と連携した研修会や社会教育を軸とした総合型地域スポーツクラブの振興を独自に普及させている。
町教委は「実数は把握していないが、多くの児童生徒が少年団等に所属している」とし、高校生も加入することができるという。春・秋の年2回、児童生徒の体力の弱点や筋力アップを図る体力テスト会を実施しており、児童生徒が活動の中で課題を見つけ、地域の指導者がフィードバックする体制を確立している。
また、学校教育では道教委の「どさん子元気アッブチャレンジ」や中学校教員による小学校への乗り入れ授業など児童生徒の体力向上に係る取組を実施。町教委の早坂靖次長は「異年齢が運動に親しみを持ち、楽しめる環境を社会教育と学校教育が連携し、継続して取り組んでいる成果」と分析する。
このほか、上ノ国町教委では、上ノ国高校の総合運動部と連携し、体幹・筋力トレーニング等の取組を広報紙で普及する活動に取り組むなど、異年齢や異校種にとらわれない活動を地域と学校が様々な場面で連携して取り組んでいる。
(道・道教委 2023-06-22付)
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