中1ギャップ未然防止で芽室中校区 4部会で小中交流事業 学校生活への不安感解消へ
(道・道教委 2023-06-21付)

 【帯広発】道教委による中1ギャップ問題未然防止事業の推進地域に指定されている芽室町立芽室中学校区は本年度、教務部会や生徒指導部会などの4部会構成で小中交流事業を実施する。小・中学校3校の全教職員が参画し、児童生徒が抱く学校生活への多様な不安感の解消につなげる。また、子ども理解支援ツール「ほっと」や「心と身体のチェックリスト」などを活用し、児童生徒一人ひとりをきめ細かに見取り、経年変化を分析する。

 平成26年度に始まった同事業は、小・中学校間の円滑な連携体制を構築して学習指導と生徒指導を関連付けた教育活動の改善・充実を図ることで児童生徒のより良い人間関係を築く力を育成し、不登校児童生徒数の減少など生徒指導上の諸課題の解決を図ることを目的としている。

 芽室中、芽室小学校、芽室南小学校からなる同中学校区の事業指定は3年目。これまで、子ども理解支援ツール「ほっと」等の活用による中1ギャップ問題の経年分析や、加配教員による小中円滑化訪問、乗り入れ授業など、不登校問題への対応や未然防止に向けた取組を進めてきた。

 前年度、小学校6年生および中学校2年生を対象に実施したアンケート調査では、中学校生活の関心事は学校行事と部活動が多くを占めた。一方、学習と人間関係づくりに不安を抱く児童生徒が多く、日常生活における規律に小中間のギャップを感じた生徒の声も上がっている。

 これらの現状を踏まえ、本年度新たに「教務部会」「生徒指導部会」「特別支援部会」「保健体育部会」の4部会に3校の全教職員が参画する小中交流事業を進める。児童生徒の多岐にわたる不安感の解消につなげるとともに、事業最終年度を迎えたことも踏まえ、自走する組織づくりを目指す。

 具体的には、1学期末に第1回交流会を開き、学習規律や学校生活の約束事、不登校対策など、各部会の議題に沿って小・中学校の教職員間で情報交流を図る。2学期に小中間の参観週間を設け、交流した情報をもとに児童生徒の様子や学校生活を観察。2学期末の第2回交流会では、円滑な小中接続に向けた具体策を話し合う。この間、前年度も実施していた乗り入れ授業や合同授業、部活動体験などを行い、小学生の進学意欲の向上につなげる見通し。

 また、子ども理解支援ツール「ほっと」を小学校6年生に年1回、中学校2年生に年2回、芽室中が主導する「生活アンケート」を同対象に年1回実施。児童生徒の自殺予防に向けて道教委が新たに作成したアセスメントツール「心と身体のチェックリスト」を、中学生を対象に長期休業前後に行う。

(道・道教委 2023-06-21付)

その他の記事( 道・道教委)

オホーツク局 EBE協議会 問い引き出す課題設定 自校が目指す方向性確認

オホーツク教育局EBE協議会  【網走発】オホーツク教育局は16日、道教委のエビデンスに基づく資質・能力育成事業のもと、第1回EBE協議会をオンライン開催した。管内の公立小・中学校、義務教育学校、高校の管理職ら約110人...

(2023-06-22)  全て読む

道教委 全国体力調査分析 データもとに 状況把握・改善を 生活習慣確立へICT活用例も

 道教委の4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版報告書では、全国平均や体力合計点が上位の都府県と比較、分析して改善の方向性を明記した。全国と比べ本道の児童生徒は「素早い移動」「筋力...

(2023-06-22)  全て読む

道教委 4年度体力調査報告書 檜山 小中男女全国超 授業改善、体制整備へ方向性

表  道教委は4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版報告書をまとめ、21日の道議会文教委員会で報告した。4つのテーマに基づき本道児童生徒の体力の状況を分析し、「できる」「分かる」を実感...

(2023-06-22)  全て読む

小中高で活用能力育成 道教委 情報化推進計画素案 9年度達成へ14指標 10月成案化

 道教委は5~9年度を計画期間とする仮称・道学校教育情報化推進計画素案をまとめた。「12年間を見通した児童生徒の学習の基盤となる資質・能力の育成」「遠隔授業・オンライン研修の推進による教育の...

(2023-06-22)  全て読む

中2男以外14管内で最高値7年連続 全校種で全国平均超 檜山管内 4年度体力合計点

 【函館発】道教委がまとめた4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版調査報告書で、檜山管内の体力合計点は全校種で全国平均を上回った。中2男子以外の全校種が14管内で最高値を記録したの...

(2023-06-22)  全て読む

倉本教育長が新採用職員に講話 「問いと対話」大切に 仕事定義し付加価値を

新採用職員等研修  道教委は12日から2日間、札幌市内の道自治労会館で5年度新採用職員等研修(前期)を開催した。初日は倉本博史教育長が「教育行政職員に期待すること」と題して講話。自身が担う仕事の役割を自覚し、...

(2023-06-21)  全て読む

端末活用した家庭学習確立へ 道教委が啓発資料作成 クラウド活用など事例紹介

 道教委は啓発資料「ICT端末を活用した家庭学習の手引」を作成し、ホームページに公開した。授業と関連させて家庭学習で端末を活用している事例や健康への悪影響を防ぐ注意点を掲載。学校・家庭が連携...

(2023-06-21)  全て読む

道教委 1DAY留学ワークショップ 国際的な視野広げる 高校生が留学生らと交流

1DAY留学ワークショップ  道教委は19日、北海学園大学で高大連携によるHokkaido Study Abroad Program「1DAY留学ワークショップ」を開催した。留学・海外渡航を経験した大学の学生やカナダ・...

(2023-06-21)  全て読む

学校給食研究大会 釧路市で7月28日開催 参加申込23日まで

 【釧路発】第64回北海道学校給食研究大会(釧路大会)が、7月28日午前9時30分から釧路市生涯学習センターまなぼっと幣舞で開催される。大会主題は「魅力ある食育の推進と教育の一環としての学校...

(2023-06-20)  全て読む

倉本教育長 インターハイ開催へ 高校生応援に協力を ラピダス進出 学びの契機に

教育長記者会見ラピダス進出  道教委の倉本博史教育長は16日、道庁別館で記者会見に臨んだ。開催まで1ヵ月に迫った5年度全国高校総体(インターハイ)に向け、多くの人々が来場して高校生を応援してくれるよう協力を要請。また、...

(2023-06-20)  全て読む