道教委 4年度体力調査報告書 檜山 小中男女全国超 授業改善、体制整備へ方向性
(道・道教委 2023-06-22付)

表
管内別の体力合計点(クリックすると拡大表示されます)

 道教委は4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版報告書をまとめ、21日の道議会文教委員会で報告した。4つのテーマに基づき本道児童生徒の体力の状況を分析し、「できる」「分かる」を実感できる授業改善、学校の組織体制整備、家庭・地域との連携による運動機会の創出など改善の方向性を示した。管内別の体力合計点は檜山の小・中学校男女いずれも全国平均を上回り、根室では中学校の男子で全国平均を上回るなど大きく上昇した。

 報告書は、昨年12月に発表した4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査を詳細に分析し、本道の現状や課題、今後の取組の改善の方向性や具体的な取組を掲載したもの。調査結果の公表市町村数は179市町村となり、今回初めて道内の全市町村が出そろった。

 「体力の現状分析」「体育科・保健体育科の授業改善」「生活習慣・運動習慣」「学校の組織的な取組」の4テーマで分析。本道の児童生徒は握力や長座体前屈など「大きな力を出す能力」「大きく関節を動かす能力」は高評価にある一方、「素早い移動」「筋力の持続」「運動の持続」に必要な能力に課題があるとし、バランスの良い体力を育む授業改善、運動習慣や適切な生活習慣を定着する必要性を示した。

 授業では指導の手だての工夫によって「できた」「分かった」を実感する児童生徒ほど体力合計点が高く、授業への愛好的態度につながっている。このため課題解決の工夫による成功体験の積み重ねが必要としている。

 授業におけるICTの活用は全国平均よりも高い傾向にあるものの、中学校男女では体力合計点との関わりが見られなかった。

 小・中学校の男女いずれも体力合計点が高いほど「朝食を毎日食べる」「十分な睡眠時間の確保」など適切な生活習慣が確立されている割合が高い。また、肥満度が高いほど適切な生活習慣の確立に課題がある傾向が見られた。

 以上を踏まえ改善の方向性を整理。授業改善では年度当初における自校の組織体制の整備、単元開始前の指導の見通しの立て方、1単元時間の導入・展開・終末場面における指導の手だての流れを示した。

 管内別の体力合計点の状況をみると、全国平均を上回った管内は小学校の男子が5管内、女子が7管内、中学校の男子が2管内、女子が1管内となった。

 前年度との比較では渡島が小・中学校の男女いずれも全国平均との差を縮めた。根室管内の中学校男子は大きく改善。全国平均との差がマイナス1・51からプラス0・24と追い抜いた。

 全国の体力合計点を上回った市町村数は、小学校の男子が6市町村増の96市町村、女子が同数の99市町村、中学校の男子が3市町村減の65市町村、女子が2市町村増の60市町村だった。

(道・道教委 2023-06-22付)

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