恵庭市内小 水泳授業民間委託開始 学校負担の軽減に期待 水質・水温管理や送迎も(市町村 2023-06-29付)
恵み野小民間プール授業
恵庭市内の全小学校で、水泳授業の民間委託が始まっている。19日には、恵み野小学校(中田和彦校長)の2年生49人がセントラルフィットネスクラブ24恵み野で、ことし初の水泳授業に臨んだ=写真=。2クラスの担任と共に、専門のインストラクター2人が習熟度別に4グループを指導。水泳授業に必須となるプールの水質・水温管理など、学校負担軽減にも期待が集まる。
市内小学校のプールは、授業で活用しない平日夕方や休日を市民プールとして一般開放されている。しかし、柏小学校、松恵小学校、恵み野小のプールは老朽化が進行し、施設の改修更新に係るコストが課題となっていた。
水泳授業においては学校現場の負担も課題に。教職員の人材確保や技術的指導への不安とともに、日々の水質・水温管理の難しさなどを懸念する声が上がっていた。
市は公共施設等総合管理計画に基づき、学校プール施設の集約や廃止、民間施設の活用を検討。管財・契約課によると、元年度における市内全8施設の年間維持管理コストは約3050万円。水泳授業の民間委託と市民プール閉鎖によって、年間500万円程度の削減が可能と試算した。
このため、4年度は専門的な指導に触れることによる教員の指導力向上の観点から、3校で水泳授業を民間委託するとともに、民間施設の利用を試行。本年度は、市内全8校で水泳授業の民間委託を開始した。
恵み野小のプール授業初日となった19日は、2年生2クラスの総勢49人が民間プールに移動。授業では、児童の人数や習熟度に応じて「水慣れ」「少し泳げる①②」「泳げる」の4グループに分かれて、学校教諭2人とインストラクター2人が付き添った。
「水慣れ」グループの児童はインストラクターの補助を受けながら、水に顔をつける練習や水の中で体を動かすアクティビティーを実施。「少し泳げる」グループの児童は、水中で感覚を身に付けるために、全身を使って潜る練習に取り組んだ。「泳げる」グループの児童は、インストラクターのアドバイスを聞きながら、ビート板を使ってバタ足やクロールなどに励んだ。
初回のグループ分けは、本人の自己申告をもとに調整。授業が進行するにつれて、段階的にステップアップができる。最終的には、学年全体で泳げるようになることを目指す。
佐藤好朗教頭は施設管理面について、生き生きと授業に臨む児童たちの姿に目を細めながら「毎日行っていた水質・水温検査を一任できることが最大のメリット」と学校現場の負担軽減を実感。「バスでの送迎も非常にありがたい」と話した。
フィットネスクラブの櫻井弘康店長は、3校の授業が円滑に進むように日程調整も行っており「水泳授業を受け入れることで、学校の負担軽減になれば」と述べた。
市教委・教育総務課の笹村雄平主査は「今後も子どもたちの安全・安心確保を前提に、学校や市、民間スポーツクラブと連携しながら、より効果的な学びとなるよう取り組んでいきたい」と考えを示した。
(市町村 2023-06-29付)
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