帯広市教委 プログラミング学習 全中学生にアカウント 双方向性意識 サイト制作
(市町村 2023-06-29付)

帯広市プログラミング教育・研修
帯広市プログラミング教育・研修

 【帯広発】帯広市教委は本年度、“双方向性”を意識したプログラミング学習コンテンツのアカウントを市内全中学生に配布している。16日に開かれた市教育研究会(川上裕明会長)の一斉部会では、情報部会が授業での活用に向けて提供会社から説明を受けた。初回授業に向けた担当者による模擬授業では、プログラミングに対する苦手意識を根付かせない工夫が盛り込まれていた。

 新学習指導要領において、中学校技術科「D情報の技術」に「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」が新設され、市内でも指導に悩む声が上がっている。

 米沢則寿帯広市長が掲げる公約「専門家によるプログラミング教育」のもと、市教委は中高生に向けたIT・プログラミングサービスを提供するライフイズテック㈱に協力を要請。本年度、市内全中学生にアカウントを順次配布している。

 同社が提供するコンテンツ「ライフイズテックレッスン」は、検索機能が付いたオリジナルのウェブサイトを制作するもので、手順書や画面上の説明をもとに、主体性を持ってプログラミングを進めることができる。検索機能で発信者・受信者の間で情報のやりとりができる媒体の活用が“双方向性”に当てはまる。

 市教委は前年度に2回、情報科教員を対象に研修を実施し、導入の準備を進めてきた。

 16日に開かれた市教育研究会の一斉部会においては、情報部会に所属する情報科教員10人が同社担当者からコンテンツの詳細に関して説明を受けた。

 担当者は、情報活用能力を「今後、どの産業においても求められる能力」「子どもたちが社会に出たときを見据え、逆算して考えると、今のうちから育成する必要がある」と強調。プログラミング言語をコードに従って打ち込むテキストコーディングなどに関しては「苦手意識がつきやすい」とし、楽しく学習できる同社のコンテンツを紹介した。

 2学期以降に初回授業を行う学校が多い中で、担当者が模擬授業を展開した。動機付けに関しては「プログラミングの楽しさ、すごさ、意義を伝えるため」に、民間企業が提供しているコンセプトムービーを映し、テクノロジーによって変化する未来を具体的にイメージさせた。「プログラミングの授業」とは言わず、「ウェブサイトをつくってみよう」と呼びかけ、生徒の興味・関心を引き、苦手意識を根付かせない工夫を示した。

 このほか、授業用スライドを完備し、理解度チェックワークを用意しているため、教員の負担軽減や学びの個別最適化が実現することを説明。情報科だけではなく、各教科の発表場面や授業のまとめにも活用できることを説いた。

 市教委は7月下旬に、より具体的な授業におけるコンテンツの活用方法を学ぶ研修を実施する予定。

(市町村 2023-06-29付)

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