豊富町 5年度教育行政執行方針 部活動地域移行 検討会発足へ CSやICT活用促進も
(市町村 2023-06-27付)

豊富町教委岡本誠也
岡本教育長

【稚内発】豊富町教委の岡本誠也教育長は、22日の町議会第2回定例会で5年度教育行政執行方針を説明した。部活動の地域移行に向け「受け皿となる地域団体や指導者確保の問題から、地域関係者の協力を得て部活動地域移行検討会を立ち上げ、必要な対策を検討していく」との方針を示した。また、コミュニティ・スクールやICTの活用促進などについても述べた。

 執行方針の概要はつぎのとおり。 

▼期待と信頼による学校づくりの推進

 地域に開かれ信頼される学校を実現するためにも家庭や地域との連携を図り、児童生徒との「つながり」を常に持ち、子どもたちの成長を支える教育活動の推進を図っていく。そのためには、コミュニティ・スクールでの学校支援活動や社会教育団体等とも連携し、地域の方と協働し体験活動を推進する。

 兜沼小中学校では、継続した小規模特認校を推進している。本年度は、小学校1学年から6学年の児童は18人での複式3学級、中学校1学年から2学年5人での複式1学級となり、今後も地域の協力を得ながら小規模校の特色を生かした学校経営に努めていく。

▼社会で生きる確かな学力、資質・能力の育成

 学力向上に向けて、ICTを活用した学習用アプリの導入によって、個々の理解度を分析し「主体的・対話的で深い学び」を推進していく。また、豊富小学校での道教委の指定事業である「新しいかたちの学びの授業力向上推進事業」による加配教員1人の配置や通級指導加配教員1人、理科専科加配教員1人の活用によって教員の授業力向上や授業改善に取り組む。

 公設学習塾では、育英館大学の協力や豊富高校生の協力を得ながら、学ぼうとする意欲向上に努める。

 特別に支援を必要とする児童生徒に対しては、個々の力が最大限に発揮される教育の推進や町費による特別教育支援員の継続した配置によって、一人ひとりの得意不得意を理解した教育や支援を行っていく。

 主体的に考え判断する能力の育成については、学習用アプリの導入によって、家庭内でのタブレットを活用した学習を進め、主体的に学ぶ姿勢から「何ができるようになるか」を基本に「考え、判断する能力」の育成に努める。

▼人生の基盤となる健やかな体の育成

 前年度から配置している健康運動指導士によって、小中高校での体育授業や部活動および、地域住民に対し、個々の心身の状況に応じた、安全で効果的な運動機能の向上を図る。

 学校における部活動の地域移行は、受け皿となる地域団体や指導者確保の問題から、地域関係者の協力を得て「部活動地域移行検討会」を立ち上げ、必要な対策を検討していく。

▼学びを生かす教育環境づくりの推進

 近年、児童生徒の減少によって高校の小規模化や再編などが進む中、小中高との連携の在り方についても、各小・中学校と豊富高とのつながりを強め、高校までは町で学習できる環境を認識してもらうなど、学校間交流を推進していく。

 豊富高の存続に向けた取組も通学費や各種検定料の助成、修学資金の貸し付けや入学生の保護者に制服、上靴、指定ジャージの助成、タブレットの購入費用の助成を継続していく。

 小・中学校においては、通信端末環境も整備されており、今後、ICTを活用した教材を積極的に導入していきたい。

(市町村 2023-06-27付)

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