苫前町5年度教育行政執行方針 地域みらい留学に参画 苫商高生徒募集活動を強化(市町村 2023-06-26付)
開発教育長
【留萌発】苫前町教委の開発法起教育長は、19日の町議会定例会で5年度教育行政執行方針を説明した。苫前商業高校の生徒募集活動については、これまでの各種の支援策に加え、今年度から地域みらい留学に参画することで全国への生徒募集活動を強化するなど学校の魅力化とその発信に注力する方針を示した。休日の部活動の地域移行に向けては、学校や地域関係者による協議会を立ち上げ、協議を重ねながら、本町の実情に沿った体制づくりに向けて検討を進めていく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
本町の特性を生かした教育を進めるには、地域住民が積極的に学校運営に関わることが不可欠。そのため、学校運営協議会の推進体制をより機動的なものへ見直しを図るなど、地域と学校を結び付ける地域学校協働活動との連動によって、開かれた学校づくりに取り組んでいく。
新しい時代に必要となる資質・能力を育成するため、全国学力・学習状況調査の結果を系統的に分析し、各学校における教育活動の検証を行い、教員の指導力を高めながら、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めていく。
また、小学校における算数や理科の専科指導、支援員を活用した複数体制による授業などによって、個々に応じたきめ細かな指導ができる体制づくりを進めていく。
本年度から新たに漢字検定受検料の助成を行い、児童生徒の主体的な学習習慣を定着させるとともに、基礎学力の底上げに努めていく。
ICTを活用した取組では1人1台端末を積極的に活用しながら、科目横断的な視点から情報活用能力の育成を図るとともにデジタル教科書など新たな教育ツールを検証し、発達段階に応じて全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指していく。
不登校への対応として子ども同士の良好な人間関係、子どもと教員との信頼関係を確かなものとし、全ての子どもが安心感と充実感を得られる学校づくりを進めるとともに、オンラインによる学習支援体制を構築し、不登校の子ども等への学習機会の確保に努める。
また、町いじめ防止基本方針に基づき「いじめは、しない、させない」を合言葉に、指導体制を充実させ、いじめの未然防止や早期発見・早期対応に努める。これら不登校やいじめなどへの対応として、各学校に巡回型のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置し、相談体制の強化を図っていく。
5年度から町内の中学校が苫前中学校に統合された。生徒たちにとって統合後、安心して学校生活が送られる環境整備の確保は最優先課題となる。そのため、各場面における実態検証を行いながら、必要に応じた検討を行い学校運営に支障を来さないよう努めていく。
学校教育の充実には、教職員の資質向上は不可欠である。教育者としての指導能力はもちろんのこと、子どもや保護者、地域から信頼される教員を育成するため、研修機会を充実するとともに服務規律を徹底し、法令順守やハラスメントの防止、適正な情報管理などに努めていく。
教員の働き方改革では、ICT等を活用して業務効率化を進めるほか、校務をサポートするスタッフを配置するなど教員が本来担うべき業務に専念できる環境を整え、子どもと向き合う時間を充実できるよう支援を行う。
休日の部活動の地域移行に向けては、学校や地域関係者による協議会を立ち上げ、協議を重ねながら、本町の実情に沿った体制づくりに向け、慎重に検討を進めていく。
苫前商業高校の本年度の新入学生は、残念ながら一桁にとどまり、来年度も一桁となった場合には道教委の公立高校配置計画において再編整備の対象となり、募集停止となってしまう危機的状況にある。このため、これまでの各種の支援策に加え、本年度から「地域みらい留学」に参画することで、全国への生徒募集活動を強化し、学校の魅力化とその発信に注力する。
また、生徒募集活動では引き続き同校後援会と連携しながら、地元中学生の確保はもとより、札幌市や石狩、空知の中学校訪問のほか、東京や大阪を中心に道外へもPRを行い、生徒数の安定確保に努めていく。地元の生徒に選んでもらえる高校とするためには、学校の魅力化は不可欠である。
同校が前年度から実施している「とままえ学」のカリキュラム充実のため、地域資源とのコーディネートのほか、自転車ツーリングや苫カフェなど地域と連携した様々な活動に対して支援を行い、地域から愛される学校づくりを目指していく。
また、町外からの入学生徒に対応するため、若者交流センターの管理運営を適切に行い、受け入れ体制の安定化を目指していく。
(市町村 2023-06-26付)
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