更別村 5年度教育行政執行方針 義務教育の在り方検討 小中一体型校舎改築視野に
(市町村 2023-06-21付)

更別村教育長細川徹
細川教育長

 【帯広発】更別村教委の細川徹教育長は5年度教育行政執行方針において、新たな視点を取り入れた義務教育の将来的な在り方を検討する意向を示した。また、中学校校舎整備に伴い、各学校の全体的な状況等を鑑み、小中一体型校舎への改築も視野に入れて検討を進める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼小・中学校教育の充実

 校内に整備した情報通信設備を効果的に活用し、学習への興味・関心を高め、情報活用能力の育成を図り、全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現する、誰一人取り残すことのない「令和の日本型学校教育」を一層推進する。

 全国学力・学習状況調査については、ほっかいどうチャレンジテストと併せて継続的な検証改善サイクルを確立し、授業改善に取り組んでいる。前年度は一昨年度と比較し、目に見えて結果の向上が図られた。今後も幼児期の教育と義務教育9年間の学びをつなぎ児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に向け、さらに取組を進める。

 少子化の時代に直面し、これからの義務教育の在り方について、小中一貫の連携した教育など、これまでの教育からの変革(イノベーション)や急激な社会変化が押し寄せる中、新しい視点を取り入れた本村教育の将来的な在り方を検討する。

 中札内村と共同で設置している学校教育指導主事は、専門的事項の指導に極めて重要な役割を果たしていることから配置を継続する。十勝教育局による計画的な義務教育指導監訪問・指導主事訪問および要請訪問を積極的に行い、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善や、教科等横断的な視点から教育課程の編成・実施を図り、生きる力の育成を推進する。

 外国語教育については、3年度から中札内村との共同で加配の専科教員を配置している。本年度からは外国語指導助手を全ての授業時数において配置し、3・4年生では外国語に親しみ基本的な表現などの定着を図り、5・6年生では言語材料と言語活動とを効果的に関連付け、実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能の育成を図る。

 体験的な学習を効果的に活用し、地域社会や産業界と連携しながらキャリア教育を推進し、社会的・職業的自立に必要な基盤となる能力・態度を養い、子どもたちが自分らしい生き方を実現できる力を育む。

 SDGsで掲げる目標はもとより、村のゼロカーボン宣言に基づき、学校教育活動の中での環境教育を引き続き行い、環境やエネルギー問題、気候変動対策への意識を醸成する。

 全国体力・運動能力、運動習慣等調査ならびに新体力テストの結果を分析し、課題に対応した体育授業の充実・改善と、運動習慣の定着に向けた取組を一層推進し、家庭や地域と連携した運動習慣・生活習慣の定着を図る。

 各学校に特別支援教育支援員を引き続き配置し、自立と社会参加に向けた主体的な取組を支援する。

 いじめ等の未然防止、適切な実態把握による積極的な認知と早期発見を基本として、組織的かつ迅速な対応に取り組み、いじめ・不登校がゼロで、明るいあいさつと笑い声が絶えない学校を目指す。

 児童生徒、保護者、教職員が抱える様々な課題の解決に向けて助言等を行うためのスクールカウンセラーを継続して配置するとともに、複数人体制とすることで、相談対応の充実を図る。

 教員の労働環境改善に向けて「学校における働き方改革 村アクション・プラン第2期」に基づき、業務負担の縮減、ICTの積極的活用、意識改革の促進などをさらに進めるとともに、集中改革期間に入った部活動の地域移行促進、校務支援システム更新による業務の効率化など、必要な措置を加速する。

 目指す子どもの姿を示した「村コミュニティ・スクールアクションプラン」の具体的取組に向けては、コーディネーターの積極的な活動のもと、学校運営協議会、児童会・生徒会、コミュニティ・スクール委員会での熟議を行ってきており、地域全体で子どもたちを育てる機運を一層推進する。

 中学校校舎整備については、各学校の全体的な状況等も視野に入れながら、改修が良いのか、改築が良いのか、小中一体型の校舎の整備が良いのかの検討を進める。

▼学校給食の推進

 食材高騰によって給食費の値上げが避けられない中で、子育て世帯への支援を行うため、新たに「学校給食費無償化事業」を実施する。

 現行衛生基準に適合しておらず、施設・設備の老朽化で安全・安心な給食提供に不安を抱える学校給食センターについては、望ましい給食施設へ早急に移行する必要があることから、改築に向けた基本設計業務を実施する。

▼高校等の入学時の支援

 小学校および中学校入学時に、入学祝い金を贈呈しているが、新たに高校等に入学した生徒の保護者を対象に支援金事業を設立し、保護者の負担軽減および生徒の健全な育成を助長する。

(市町村 2023-06-21付)

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