興部町5年度教育行政執行方針 端末活用へ支援員配置 電子教科書やソフト導入(市町村 2023-06-29付)
畑山研二教育長
【網走発】興部町教委の畑山研二教育長は、第2回定例町議会で5年度教育行政執行方針を説明した。GIGAスクール構想による1人1台の端末をより有効活用するため、専門的な知識を持つICT支援員を配置するとともに、授業における活用の成果が共有・実践されるための校内研修会を開催する。さらに、デジタル教科書、学習支援ソフト等の導入によって授業や家庭学習での効果的な活用を図り、確かな学力の育成はもとより、プログラミング教育の充実を図っていく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育
▽確かな学力を育む教育の充実
学習習慣の確立については、学習内容や目安等をまとめた学年別の「家庭学習の手引き」の積極的な活用を促し、子どもたち自らが計画を立てて取り組む習慣の形成に努めるとともに、家庭と学校の連携による家庭学習時間の確保などを行い「学びに向かう」学習環境づくりを進めていく。また、興部高生による学生ボランティアや公営塾「つなぐ」スタッフを活用し、長期休業中における学習継続へのサポートを実施する。
外国語教育の充実を図るため、教員に対し外国語教育研修への積極的な参加を促すとともに、中学校と連携した英語担当教諭の乗り入れ授業やALT1人を小・中学校に派遣し、英語力の向上に努めていく。
また、GIGAスクール構想による1人1台の端末をより有効に活用するため、専門的な知識を持つICT支援員を配置するとともに、授業における活用の成果が共有・実践されるための校内研修会を開催する。
さらには、デジタル教科書、学習支援ソフト等を導入し、授業や家庭学習での効果的な活用を図る。
個別指導では、複数の教員が役割を分担しながら授業を行うチーム・ティーチングや個人差が生じやすい教科・領域などにおける少人数指導や課題別指導など、個に応じた指導方法を工夫し内容の習得に努める。
また、幼稚園等から小学校、小学校から中学校、中学校から高校へと継続した学びを確保するため、小学校新1年生に対してのスタートカリキュラム、児童生徒一人ひとりのキャリア・パスポートを作成する取組を進め、各学校間・校種間で引き継ぎ、これらを活用し途切れることのない、つながる教育を目指していく。
郷土の歴史・文化・産業などを生かした教育では、小学校3・4年生では社会科副読本「おこっぺ」を副教材として活用し、中学校ではふるさとの魅力を発信する活動を行うなど、子どもたちが自分の住む町・育つ町を理解して、郷土愛を育む「ふるさと学習」を進める。また、総合的な学習や社会科見学において、町の基幹産業の体験学習や地元企業等からの講師派遣などにより、積極的な交流を図っていく。
▽豊かな心の育成
道徳教育では「特別の教科 道徳」における問題解決的・体験的学習を通し、解答が一つではない道徳的課題に誠実に向き合い、「考え、議論する道徳」を実践していく。
いじめの根絶に向けては、年2回実施している「いじめ実態調査」による実態把握と相談体制の確立および情報共有を進めるため、各校で策定している「いじめ防止基本方針」に基づき、町、教育委員会、学校、保護者、地域、関係機関が一体となり、取組を進める。また、スマートフォンやSNSの普及など情報化社会がもたらすいじめにも対応できるよう、対処方法や留意事項を保護者や子どもに発信し、被害の未然防止や問題行動の抑止に努める。
不登校や児童虐待については、家庭や関係機関との密な連携のもと、体調不良やその他の要因として考えられる小4ビハインドや中1ギャップ、ヤングケアラー等について理解を深め、児童生徒の抱える悩みにより添った支援と関係機関との迅速な連携・対応に努めていく。
読書活動の推進に関しては、本年度導入する学校図書館システムによって、学校図書館における図書の管理および利便性を高め、学ぶ心を育てる読書習慣の形成に努めていく。
▽健やかな身体の育成
子どもたちの体力向上については「新体力テスト」や「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果分析を踏まえて、一人ひとりの体力向上と運動習慣の確立に向け継続的な取組を進めていく。
子どもたちの安全確保については、関係機関の協力のもと、教職員・保護者・地域関係者による街頭指導や通学路の安全点検を行い、さらには、交通安全教室の開催や自転車マナーの指導などを継続し、交通安全などに対する意識を高めていく。
防災教育については、防災に関する授業や火災・地震を想定した避難訓練等を実施し、児童生徒に高い防災意識を持たせるよう努めていく。
▽特別支援教育の推進
特別な教育的支援を必要とする児童生徒に対して、個々のニーズに応じた指導計画・指導法に基づく取組を推進する。また、増加傾向にある困り感を抱える児童生徒に対しても、特別支援教育支援員を配置するなど、指導体制の工夫・充実に努めていく。
関係機関の連携による支援体制の充実に向けて、小中学校・保育所・幼稚園、町や教育委員会等の関係機関で構成する「特別支援教育連携協議会」を軸に、子どもたちの就学前から学齢期における切れ目のない支援を進める。各学校においては、校内委員会やコーディネーターを中心に、特別支援教育に対する共通理解・共通認識のもと、学校ぐるみで指導体制の充実を図っていく。
▽信頼に応える学校づくりの推進について
教育活動および学校運営の改善につなげる学校自己評価、子どもたちや保護者向けアンケートなどの取組を充実させ、子どもたち、保護者、地域等の意見が反映される学校づくりを推進する。幅広く住民の方が参画できるよう気軽に誰もが学校を訪問し見学できるオープンスクールの日や町広報紙を活用した教育活動の周知、学校便りを公民館ロビーに掲示し地域住民に学校の情報を提供するなど、地域の声を生かした学校経営を進めていく。
教職員の資質・能力の向上については、自主的に参加する研修に対する予算の措置、道教委や網走地方教育研修センター等が行う各種研修会への積極的参加を促していく。
▽興部高校への支援策について
少子化による中学卒業者の減少が今後も続く中、生徒確保に向けて、入学準備金・通学費・部活動支援、大学進学者への入学支援金、タブレット補助など、様々な支援策を継続して実施していく。
興部高としても、4年度から校内に開設した公営塾を引き続き活用し、生徒の進路実現へのサポート、大学などへの進学塾、地域との探究学習、放課後時間の有効活用、興部中学校生徒への学習サポートなどの連携を進め、地域における高校の存在価値・魅力を高めていく。
(市町村 2023-06-29付)
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