働き方改革実現へ団結を 木下中央執行委員長あいさつ
(関係団体 2023-07-03付)

北教組木下委員長
木下委員長

 北教組第134回定期大会における木下真一中央執行委員長のあいさつ概要はつぎのとおり。

 第134回定期大会の開催に当たって、北教組本部を代表してあいさつ申し上げる。

 まず、感染症の影響が残る中、学校現場において、子どもたちのために日々奮闘されている組合員・役員の大会への結集に心から感謝申し上げる。

 さて、前回の定期大会は、感染症が収束していないことから、代議員数等の制限、時間短縮での開催となったが、本大会が、これらの制約がほぼない開催にこぎ着けたことは、今後の北教組運動強化・発展の契機となり得るもので、現場実態に基づく闊達な議論をしていただくようお願い申し上げる。

 北教組はこの2年間、「超勤・多忙化解消をはじめとする勤務条件改善」「自主編成運動による民主教育の確立」を運動の基軸として、あらゆる取組を組織強化・拡大に結合させることを目標に「運動の焦点化・効率化」の考えのもと、取組を進め、本定期大会を迎えることとなった。

 私たち北教組運動の原則は、子どもたち・教職員・地域社会の現状を捉え、運動の歴史を振り返り、運動方針・理念に基づき議論をして行動、そして総括し、新たな方向性を導き出すというものだ。その手順は、一つも欠かすことのできない重要なものであり、学校現場での豊かな教育を目指した実践と同じ過程を経るものではないか。

 「教え子を再び戦場に送らない」のスローガンも痛恨の極みを経た振り返りであることは間違いない。国民学校の教壇に立ち、戦争の悲惨な歴史を振り返った元組合員は、北教組結成30周年に寄せた詩に「教科書に黒々と墨を塗る震えた指先を見て、教え子を戦場に送るためにチョークを握っていた日々を思い出し、洗っても落ちない血まみれの指先で再びチョークを握る胸の苦しさ」を詠い、心からの叫びとして「教え子を再び戦場に送らない」と誓っている。こうした先輩諸氏の振り返りを北教組運動の原則とし、守り抜く私たちの運動に貴重な意義、そして誇りを感じるものである。

 さて、今現在、これ以上の痛恨の極みとなるものは幸いながら存在しないものの、「令和の日本型学校教育の構築」に象徴される、子どもたちは過度に競争的なカリキュラムの中でストレス、負担が多い学校環境の中にいること。そして、教職員・組合員も、ほとんどの時間外勤務が自主的・自発的勤務とされる矛盾した給特法制下で、「学校の働き方改革」の成果・効果が見えておらず、生活時間が確保されず、病気休職者が増加し、教員不足が深刻化する状況はこれ以上放置できるはずがない。

 自民党特命委員会の提言や中教審への文科省諮問事項は超勤容認であることに、一人ひとりの組合員が危機感・怒りを持ち、勤務時間内に業務が終わることを目指した運動の展開を全組合員で行うことが最大の課題となっている。

 未来、後輩たちが、教職の魅力は不偏であるものの、生活の全てを犠牲にしなければならない仕事と変わり果てたとき、子どもたちを一層苦しめることになってしまったと振り返らないよう、今、私たちは全力でこの問題に立ち向かい、共感者を組合員・仲間にしていく絶好の機会に直面している状況にある。

 振り返れば、来た道はいつも嵐、と言った方がいる。しかし、確実に歩んできた誇りを持てば、まだまだ団結して進めるはずである。

 今次定期大会が、取組の中で仲間として一つになり、そして、行動することによって力をつける、展望の持てる北教組運動のスタートとなるよう、代議員・役員、本部執行部が議論を深め、成功することを祈念してあいさつとさせていただく。共に頑張ろう。

(関係団体 2023-07-03付)

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