校長会長インタビュー第1回 空知校長会会長 「ありがとう」で「笑顔」を
(関係団体 2023-07-07付)

空知校長会松本伸彦
松本伸彦会長

―会長就任に当たっての抱負

 空知校長会の存在意義は、管内各学校の教育活動と学校運営の向上に基づく空知の教育振興である。そのため、私たち校長の学校経営の実践力向上に資する活動を展開することが重要である。

 その肝は、最新の教育情報の入手と共有、それに基づく研究の深化だと考える。その認識に立ち、会員にとっての価値と魅力がある活動を前に進めたい。

 また、6年度に道小教育研究空知・岩見沢大会が開催される。4年度全日中、5年度全連小での提言によって全国に発信している空知の研究成果を基盤に、校長の経営力向上に直結し、社会の要請に応える大会となるよう、成功に向けての取組を加速させていきたい。

―管内の教育の特色

 石炭産業の衰退から半世紀以上が経過し、人口減少・少子高齢化に伴い学校数が減少している。

 本年度は、24市町に93校であり、小・中1校、義務教育学校のみの市町が16と全体の3分の2を占める。そういった市町では「よい学校」を創ることが「よい地域」の形成につながることを意図した地学協働を推進する経営の質が問われている。

 管内では、小中一貫教育の推進や中学校区単位での学校運営協議会の設置など、義務教育9年間を見通した教育への関心が高い。義務教育学校は、現在1校であるが、複数の市町で設立の準備が始まっている。

 また、管内13市町に21の高校があるが、近年管内の中学校卒業生が札幌圏に進学する割合が上昇している。

 そのため、各市町では、地元高校の存続に向け、小・中学校と高校との連携を推進している。

―管内の教育の課題と対応

 空知教育局から本年度管内教育推進の重点として「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」をはじめとする5つの重点が示されている。空知校長会では、必要な資質・能力の育成の中核は、授業改善に基づく学力向上だと捉えている。各学校においては、児童生徒個々の現状に視点を当て、ICTを効果的に活用して「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する組織的な検証改善サイクルを確立する取組を展開している。

 教員の量と質の確保については、管内においても厳しい状況が続いている。学校の教育活動に支障を来さないよう欠員を出さない取組が急務である。

 また、管内教員の年齢構成は、45歳以上の教員の割合が7割を超えており、人材育成と学校組織の活性化に校長がリーダーシップを発揮することが求められている。

 働き方改革については「空知校長会アクション・プラン(第2期)」の最終年度であり、柔軟な発想に基づく積極的な取組により、教育活動・学校運営・職員の業務の一体的な改善を推進していく。

―アフターコロナへの対応

 コロナ禍で試行錯誤して取り組んだ教育活動も含め、自校のこれまでのICT活用や授業改善の状況を今一度、評価・検証し、明確な改善の方向性を校長が示すことが重要である。

 そのためには、職員・保護者・児童生徒の生の声をたくさん聞き、同じ目線で物事を捉え、学校の今を的確に把握する視点が重要である。空知校長会として、このような学校改善の方向性を会員全員で共有していく。

―教育信条

 「ありがとう」で「笑顔」をつくる。私たち一人ひとりが今ここにいること、それ自体が素晴らしいこと。だから、自分を、相手を、大切に思って、相手に声をかけ、相手のために行動する。そこから「ありがとう」の思いが広がり、その先に、自分の、相手の、みんなの「笑顔」が生まれる。

松本 伸彦氏

 昭和61年道教育大岩見沢分校卒。網走管内、空知管内小学校で教諭、教頭を経て、平成31年岩見沢市立日の出小校長、令和4年栗山町立栗山小校長、5年から現職の岩見沢市立岩見沢小校長。

 昭和38年9月3日生まれ、59歳。美唄市出身。

(関係団体 2023-07-07付)

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