校長会長インタビュー第3回 自分を高めチームで乗り越える
(関係団体 2023-07-11付)

―会長就任に当たっての抱負

 小樽市校長会では「各自が自立した校長として、自校の課題に向き合い一つの学校を預かる職責を果たす。そして、小樽市立の学校として学校課題や本市の教育課題に真剣に向き合い、一歩でも改善を進めて、つぎの校長につないでいく」ということを目指して活動している。

 本年度は「自走への連携」をテーマに掲げ、重点目標を「自走へのマネジメント」とし、各校が主体的に学校課題の解決に取り組み教育力を高めていく、自走できる学校の具現化を目指していきたい。

 そのためにも、小・中学校長28人の連携をより一層強め、マネジメント力向上へ向け研鑚し合い、人材を生かし育てる組織力を高めていきたいと考えている。

 教育活動を充実させ、児童生徒を誰一人取り残すことなく確かな資質・能力を育んでいく、自走できる学校経営へ一歩でも前進し、次代につなげていくことを目指す。

―市内の教育の特色

 児童数減少で学校の適正配置が進み、小学校17校、中学校12校(うち小中併置校1校)となっており、小学校では、学年単学級の小規模校が多くなっている。

 確かな資質・能力の育成へ向け、授業づくりの指針「小樽授業づくりの5つのステップ」をもとに、全市で主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に取り組んでいる。またGIGAスクール構想推進に当たっては、道教委「新しいかたちの学び推進教員」3人が小学校に配置され、1人1台端末を効果的に活用した授業への改善を進めている。

 ふるさと教育としては、副読本「小樽の歴史」を活用した郷土学習や小樽港内遊覧屋形船体験、潮音頭(うしおおんど)踊り体験、ガラス製作体験に、全小学校で取り組んでいる。

―市内の教育の課題と対応

 市内の教育課題の解決へ向け、校長会として3つの重点的な取組を進めている。

①「令和の日本型学校教育」―令和の日本型学校教育の構築へ向け各校の課題を洗い出し、改善への方策を明確にして取組を進めている。小学校では、学習指導要領改訂から折り返しの年度であることを踏まえ、本気の授業改善が各校で進むことを目指す

②「生かし高める人材育成」―「新たな教師の学びの姿」として、ベテラン層にも経験にとらわれず変化を受け止め、教職生涯にわたって前向きに学ぶ姿勢を持たせられるように、教職員みんなを生かし高めていく研修やコミュニケーションを工夫し、各校の自走を支える力につなげることを目指す。またオール小樽で、管理職候補、ミドルリーダー、新任層、管理職の職能向上につながる人材育成研修を実施する

③「組織的な校務の推進」―前年度、協働的な学校運営を目指し、全小・中学校の現状を交流し目指すべき学校組織を明確にしながら、職員が主体的に組織的に学校運営を推進していける組織への見直しを進めてきた。本年度も、各校で組織的な課題に向き合い、自走へ向け改善をさらに進めていけたらと考える

―アフターコロナに対応した校長会の取組

 コロナ禍で制限された教育活動ができるようになったが、従前どおりに戻すのではなく、コロナ禍で見直された各教育活動や新たに生み出された教育活動を、生かし高める形で教育課程に位置付け、教育活動の充実につなげられるように校長会として情報交流している。

―教育信条

 「One for all All for one(一人はみんなのために みんなは一人のために)」。

 ラグビーを通して学んだこと、成長できたことが自分自身の土台となっている。どんなことにも一人ひとりが自分を生かし高めて、チームを意識し、乗り越えていくことを大切に考える。

小樽市校長会会長 遠藤隆典氏  

 平成元年道教育大旭川分校卒。小樽市立花園小を振り出しに、29年小樽市立張碓小校長、31年朝里小校長を経て、ことし4月から現職の稲穂小校長。28年から小樽市ラグビーフットボール協会会長、令和2年から小樽市算数数学教育会会長を務めている。

 昭和41年1月26日生まれ、57歳。小樽市出身。

(関係団体 2023-07-11付)

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