校長会長インタビュー第5回 「感謝」と「対話」を大切に
(関係団体 2023-07-13付)

胆振管内校長会・瀧澤会長
胆振管内校長会・瀧澤会長

―会長2年目の抱負

 胆振管内校長会は発足から25年目となり、5年度は小学校60校、中学校39校、小中併置校1校、義務教育学校3校の103人の校長が会員となっている。

 本年度は4月に10人の新会員を迎えてのスタートとなった。前年度までのコロナ禍3年間で50人以上の校長が定年退職し、半数以上が交代している。

 そのため、管内校長会としては、学習指導要領の趣旨の実現や職能向上を目指した研修の充実とともに、会員の新たなネットワークづくりも重点としている。

 歴代の先輩校長が築き上げた取組を礎として、現代的な諸課題やアフターコロナにおける対応など、103人がチームとなり、子どもたちのため、学校のため、胆振管内のためにある校長会を目指したいと考えている。

 私は会長2年目となるが、前年度までの2年間オンラインで開催した「教育経営・法制研修会」と「教育研究大会」を、本年度は4年ぶりに全会員参集型とし、その開催に向けて現在準備を進めているところである。また、昨年11月までほぼ1年をかけて検討してきた「後継者育成研修会」(新規事業)を、本年度の重点の一つとして取り組んでいく。

―管内の教育の特色

 4市7町からなる胆振管内全ての市町において、従前から小中連携や一貫教育など小中の滑らかな接続を意識した取組や地域の実情を踏まえた地学協働活動が行われている。このような中、本年度新たに、苫小牧市に1校と安平町に1校の義務教育学校が開校となった。

 また、管内には、2年7月に開業したウポポイや、3年7月に世界文化遺産に登録となった「北海道・北東北の縄文遺跡群」として北黄金貝塚と入江貝塚・高砂貝塚を有している。

 さらには、洞爺湖有珠山ジオパーク、むかわ竜、炭鉄港を含めた「いぶり五大遺産」を有しており、これらの貴重な地域資源を生かした体験的な学習や探究的な学習など、様々なふるさと教育が行われている。

―管内の教育課題と対応

 学力の向上と体力の向上に向けて、管内全ての学校が自校や中学校区ごとの課題を分析し様々な取組を続けることや、市町校長会が市町教委との連携した取組によって向上が図られている。

 しかし、子どもたちがゲームをしたり、スマートフォンに触れたりする時間の長さは引き続き大きな課題であり、望ましい生活習慣や学習習慣の確立に向けて、胆振教育局や胆振管内教育長協議会、PTA連合会等と連携を図りながら、その改善に向けて取り組んでいるところでもある。

 また、近年、学校の統廃合に伴い管理職数が減少していることから、数年後を見据えた後継者の育成が課題の一つとなっている。そのため、前年度まで1年をかけて検討し、計画してきた「後継者育成研修会」を新規事業として年3回実施する。

 その目的は「北海道および胆振管内における教育の現状を把握し、課題を的確に捉え、その改善に向け熱意と意識を高く持った後継者の育成を目指す」ことであり、教頭および市町教委職員を対象とした研修を6月と7月の2回、主幹教諭および教諭、市町教委職員を対象とした研修を9月に1回実施する。

―アフターコロナへの対応

 4月には簡略化し短時間ではあるが全会員が集まっての総会を実施した。本年度は、前記のように参集型の研修会等を複数回計画している。

 なお、コロナ禍となった2年度から行っている理事研修会における情報交流や、メールを有効活用した情報提供などについては、この3年間の成果を生かして継続とし、校長の職能向上を図る取組はもとより、学校改善や働き方改革の着実な推進に寄与するものとしていきたい。

―教育信条

 「感謝」することと「対話」することが大切と考えている。このことを常に忘れずに、これからも自校の学校経営はもとより、胆振管内校長会の運営に当たっていきたい。

胆振管内校長会会長

瀧澤 義守氏

 昭和63年道教育大函館分校卒。胆振管内で中学校教諭、教頭などを経て平成28年函館市立北日吉小校長、30年登別市立西陵中校長、令和3年洞爺湖町立虻田中校長、5年登別市立幌別中校長。

 昭和40年3月6日生まれ、58歳。苫小牧市出身。

(関係団体 2023-07-13付)

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