校長会長インタビュー第4回 子どもから目を離さない教育(関係団体 2023-07-12付)
中田恭太郎会長
―会長就任に当たっての抱負
変化の激しい教育界において、校長のかじ取りは難しいものになってきた。校長会は、横のつながりを強化し、互いに助け合い、高め合うことができるような組織でありたいと願っている。
そのために、会の運営も時代の変化に対応し「取り組むべきは取り組む」「やめるべきはやめる」をテーマに、思い切った整理と進化・発展に挑戦できればと考える。
―管内の教育課題と対応
管内の一番の教育課題は「学力向上」である。授業改善の組織的な取組が進みつつあり、学力調査の結果も改善傾向にあると言える。しかし、まだまだ授業の質を高める努力が必要だ。
今「小中一貫教育」というテーマで小中合同の実践研究を進める町村が多くなってきた。小学校と中学校が同じゴールを目指して積み上げ型の授業を行い、9年間安心して、自信を持って学び続ける児童生徒を育てようという実践研究である。これによって「子ども主体の授業」という授業観の共有が校種の枠を越えて進みつつある。小規模校が多いという後志の特性を生かし、小中の「一貫教育」を通して授業の質を高めようと努力している。
―アフターコロナへの対応
コロナ禍の大きな影響の一つとして「会同機会の減少による学びの場の不足」が挙げられる。客観的な「当たり前」の基準を確認する機会が少なくなり、教諭は授業力の向上、教頭は職能の向上という面で「もう少し」と思われる3年間であった。
そこで、校長会は二つの取組を始めた。一つは「教科研究促進事業」の設定である。活動が停滞傾向にあった「後志教育研究会」の発展的解散を受け、それに代わって教員の研修をより実効性のあるものとするために、町村教育委員会協議会からの助成金を学校や授業研究団体に配分して、研究(研修)会開催を支援する事業である。各町村、各学校、そして教員個々の研修に向けた主体性が高まればと期待しているところだ。もう一つは「人材育成チーム」の発足である。相互推薦による10人の会員で構成し、管内の教頭候補者・校長採用受検者を対象に、理論や面接対応の研修を組織的に行うチームで、管理職の育成と職能の向上を図ることが目的だ。このように、校長会として、積極的な策を講じながら、人材育成に寄与したいと考えている。
―教育信条
いつも心に留めていることは「子どもから目を離さない教育」。私たちは知らないうちに授業も学校運営も教師の予定・大人の事情で進めてしまいがちである。判断の理由をいつも子どもの姿に置くような「子どもから目を離さない教育」を心がけている。
後志小中学校長会会長
中田 恭太郎氏
昭和63年3月道教育大釧路分校卒。小樽市立望洋台小を振り出しに、平成27年古平町立古平小校長、31年京極町立京極小校長を経て、令和5年から現職の真狩村立真狩小校長。
昭和39年11月27日生まれ、58歳。富良野市出身。
(関係団体 2023-07-12付)
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