渡島複式研究連盟 経営研教頭部会 全教職員の参画が重要 遠隔合同授業の効果解説
(関係団体 2023-07-13付)

 【函館発】渡島複式教育研究連盟(大山真由美委員長)は7日、北斗市農業振興センターで第43回渡島複式学校経営研究会教頭部会を開催した。渡島教育局の松本了祐義務教育指導班主査が「複式教育において教頭が果たすべき役割について」と題し、多様な意見や考えに触れられる遠隔合同授業の効果を解説。管内の複式学校に勤務する教頭13人が参加し、ICTの効果的活用や複式教育に望ましいカリキュラム・マネジメントの在り方を探った。

 管内複式学校に勤務する教頭の資質向上を目指すとともに、学校経営の充実に資することを目的に実施した。

 開会式で大山委員長は「複式校における教頭の役割について講義や研究協議を通して研鑚を積み、あすからの学校運営の改善に生かしてほしい」とあいさつ。

 講義では、渡島局の松本義務教育指導班主査がカリキュラム・マネジメントと学校組織マネジメント、1人1台端末の日常的な活用の3点をポイントに解説した。

 奈良教育大学教授の赤沢早人氏の実践をもとに、カリキュラム・マネジメントは学校運営、学年運営、教科運営、学級運営、子ども個人の5つのレベルがあることを周知。

 カリキュラム・マネジメントを運用する視点について①子どもに付けたい力を具体化する②教職員が力を合わせる条件を整える③教育活動を行う―の3点を提示した。

 また「失敗を通じて学ぶ柔軟さなど、リーダーも弱みを見せ、学び続けること」「教職員の当事者意識を促進するファシリテーターへ」など今後求められるリーダーシップ像を列挙。

 1人1台端末の活用については「積極的に活用する段階から効果的に活用するつぎの段階へ進んでほしい」と呼びかけ、クラウドを活用した考えの共有や資料の共同作成を行う授業などを紹介。業務改善では、クラウドを活用したデータ連携や分析、各種資料の共有などを推奨した。

 複式教育におけるICTの利活用については、遠隔合同授業の必要性を強調。近隣の学校による大人数での授業を年間で継続的・計画的に実施することで、多様な意見や考えに触れたり、社会性を養ったりできる効果が期待されていることを周知した。

 研究協議では、参加者が3グループに分かれて複式教育におけるカリキュラム・マネジメントと1人1台端末の日常的な活用について協議。教職員の授業づくりへの関わりや、ふるさと教育の教育課程上の位置付け、端末の活用方法など日常の疑問や実践を交流した。

 松本主査は助言で、渡島局が作成した「学力向上Sign Post」を提示。「教育活動の質の向上を図るためには、全教職員が目指すべき目標や実態把握、課題の明確化、課題解決の取組、実効性の検証・改善のマネジメント・サイクルに参画することが重要」と締めくくった。

(関係団体 2023-07-13付)

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