校長会長インタビュー 第8回 学校経営支える校長会目指して(関係団体 2023-07-20付)
長谷川秀雄会長
―就任に当たっての抱負
黒船で浦賀に来航したペリーも立ち寄った歴史ある、異国情緒あふれる街、函館。歴史的、文化的、地理的にも特徴を持ち「住みたい街」アンケートでは毎年、上位に選ばれている。本会は来年度60年を迎える。本年度、この歴史ある本会会長の任を仰せつかり、その重責を担うことに対して、大変身の引き締まる思いである。新型コロナウイルス感染症収束への扉が開き、新しいステージへと歩み出した学校教育であるが「令和の日本型学校教育」の構築には様々な課題が山積している。
けれども、いつの時代も教育界は多岐にわたる課題を抱えてきたが、先達の校長先生方は揺るぎない責任感と強いリーダーシップを発揮して諸課題の解決に尽力してきた。私たちは組織として一丸となり、連携と協調のもと情報交流を深め、各校長の学校経営を支え、一丸となって諸課題の解決に取り組む校長会を目指す。
―市の学校教育の特徴
中学校2校が統合され、本年度は中学校18校(小中併置校1校)、義務教育学校1校となった。平成27年度には中学校が26校あったことを考えると、確実に少子化が進み、大きな課題の一つとなっている。
また、本年度、市の教育振興基本計画が「自立」「共生」「創造」を柱とする「函館市が目指す人間像」などの基本的な考え方は継承しながらも、実現に向けた取組内容について社会情勢や点検・評価内容等を踏まえて改訂された。市の教育が目指す人間像「生涯を通じて学び続け、主体的に判断して変化する社会を生きる人」「寛容さと思いやりの心をもって、多様な人々と絆を結び共に支え合う人」「世界に目を向け、新たな価値を創り、まちの魅力を高める人」の育成を目指し、各校の学校運営を見直し、方針を策定するなど、質の高い教育活動を推進する。
―市の学校教育の課題と対応
「社会を生き抜く力」とともに「よりよい社会を形成する力」を育む教育の推進に向けて、現在の学校教育課題の解決に向けて、校長会は教職員の資質・能力の向上と使命感の高揚に努めていかなければならない。
働き方改革をさらに進めていく一方で、ICT機器の活用能力をはじめとする教職員の資質・能力の向上、「個別最適な学習」や「協働的な学習」の充実、特別な教育支援を必要とする生徒への対応の充実、不登校およびその傾向が見られる生徒への対策、いじめの未然防止およびいじめを見逃さない取組等、市における課題は多岐にわたる。
本会としては、課題の解決に向けた情報交流を進め、市小学校長会、渡島小中学校長会、渡島管内高校長会および函館市教委等と連携しながら、事務局がリーダーシップを発揮し、各校長の自校での学校経営を支えていく。
―アフターコロナへの対応
5月の5類への移行に伴い、基本的な感染予防対策を講じながら、修学旅行などの学校行事をはじめ、感染リスクが高いとされる教科での指導もコロナ前の指導計画で実施する学校も出てきた。コロナをきっかけに、各校で教育活動を様々な工夫をしながら実施してきた経験から、余分なものをそぎ落として実施している学校もある。
校長会では、各校におけるコロナ対応の経験を財産にしてそれらを生かし、質の高い教育活動の推進に向けて情報交流をさらに深めていく。
―教育信条
「子どもたちの笑顔のために」を信条とし、生徒をはじめ、それを囲む保護者、職員、地域の人たちの笑顔から得られるパワーを頼りに勤めてきた。何度も厳しい時間を過ごしてきたが「分かった!」「頑張ります!」など、生徒たちの笑顔のおかげで、幾度も幾度も壁を乗り越えてきたように思う。「子どもを主語にした学校づくり」と言われるが、校長会としても、生徒たちを主語にした各校の経営を支え、市の子どもたちの笑顔のために連携・協調を深め、未来を担う子どもたちを育んでいきたい。
函館市中学校長会会長 長谷川秀雄氏
昭和62年道教育大函館分校卒、同年置戸町立置戸中に赴任。平成22年函館市立港中教頭、24年亀田中教頭、27年桔梗中教頭、28年長万部町立長万部中校長、31年函館市立港中校長、令和3年桔梗中校長。
昭和38年6月29日生まれ、60歳。東京都大田区出身。
(関係団体 2023-07-20付)
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