校長会長インタビュー第6回 学力向上へ管内統一行動推進
(関係団体 2023-07-14付)

―就任に当たっての抱負

 前年度、日高地区校長会としては、まだまだコロナ禍ではあったが、理事研修会や研修部長研修会の定期開催など小まめな情報交流をはじめ、各種研修会を開催するなど、管内の教育課題の解明・解消と職能向上に努めてきた。

 しかし、信頼される学校づくりや確かな学力の育成に向けて「主体的・対話的で深い学び」や「カリキュラム・マネジメント」「GIGAスクール構想」の実現など、様々な課題が山積している状況である。

 また、1年単位の変形労働時間制の導入、段階的な定年延長、部活動の地域移行など新しい制度に対応し、意欲を持って職務に専念できるよう教職員の地位および待遇改善についての要望活動も進めていく必要がある。

 そこで、日高地区校長会としては、各会員が自信を持って的確な判断を下すことができるよう、諸先輩方が脈々と積み上げてきた思い、財産をしっかりとつなぎながら、日高教育局や教委連、道小、道中などの関係機関・団体との連携や、組織の基盤である情報共有および研修の充実を図っていきたいと考えている。

 管内教育のさらなる発展に向けて、強いリーダーシップを発揮していくことができるよう、常に学び続け、挑戦し続ける校長会でありたいと気持ちを新たにしているところである。

―管内の学校教育の特色

 本校(浦河町立堺町小学校)は「浦河町を学び舎に、町民一人一人を先生に」をコンセプトにふるさとへの愛情と誇りを育む「ふるさと教育」と、子どもたちが社会で自立的に生きる基礎を培うことを目指した「キャリア教育」を融合した「ふるさとキャリア教育」を教育活動の基盤としている。

 日高は広大な海や山などの豊かな自然に囲まれており、そういった地の利を生かした、また地域性に根差した特色ある教育活動が各学校で展開されている。

―管内の教育課題とその対応

 喫緊の課題は「学力の向上」である。そこで、日高地区校長会としては、前年度、学力向上特別委員会を立ち上げ、同委員会を中心に、管内統一行動の3つの柱(資質・能力の確実な定着を目指すための授業改善/全国学力・学習状況調査やチャレンジテスト問題・結果の有効活用/家庭学習の質を高める)を設定し、それらの実践検証に努めてきた。

本年度は「学力向上」を地区校長会研修活動の視点の一つに組み入れ、引き続き、全会員が一丸となり、管内統一行動の3つの柱について、検証改善(R―PDCA)に取り組んでいるところである。

―アフターコロナへの対応

 日高管内では、各学校、コロナの5類移行を機に、活気を取り戻しているところである。

ただ、これまで、感染症対策と教育活動という制約があることで、何が本当に大切なのか、教育活動を見直す機会にもなってきた経緯を踏まえ、今後の活動の目的や在り方に関わっては、単にコロナ禍以前の姿に戻るのではなく、コロナ禍の中で得られた、前例にとらわれない新しい学びの価値を進化させていくことを確認し、取組を進めている。

そこで、日高地区校長会としては、そうした教育活動の見直し・進化に向けて、管内全町の取組情報を収集・整理するとともに、道小、道中とも連携し、管内および全道の取組情報の共有化にも努めていきたいと考えているところである。

―教育信条

 「子どもの笑顔」が学校教育の原点であると考えている。

 子どもたちが笑顔で元気に登校し、下校する時には、満足して「楽しかった」と言える学校でありたいと願っている。

そこで、学校が子どもたちにとって楽しんで学べる居場所となるよう「研修は学校の生命線」という意識を共有し学び続ける教職員集団づくりを進めていきたいと考えている。

日高地区校長会会長

品田 和輝氏

 昭和62年道教育大岩見沢分校卒。浦河町立堺町小を振り出しに3校で勤務。平成17年平取町立貫気別小から教頭として4校で勤務。27年平取町立振内小校長、30年新冠町立新冠小校長、31年日高町立富川小校長、令和4年から現在の浦河町立堺町小校長。一昨年度から日高地区校長会会長を務めている。

 昭和38年4月19日生まれ、60歳。札幌市出身。

(関係団体 2023-07-14付)

その他の記事( 関係団体)

十勝管内道立校事務機能検討協 支援室と学校連携強化へ 管理職など3部会で取組協議

 【帯広発】5年度第1回十勝管内道立学校事務機能強化検討協議会が6月中旬、十勝総合振興局で開かれた。十勝教育局道立学校運営支援室、管内道立学校事務職員の計20人が出席。管内各校の事務機能の強...

(2023-07-20)  全て読む

全日本盲学校教育研究会など 27日から道大会開催 新しい時代の創り手育む

 第98回全日本盲学校教育研究大会・北海道大会が27日から2日間にわたり、札幌視覚支援学校で開催される。主催は全日本盲学校教育研究会と全国盲学校長会。研究主題「新しい時代の創り手を育む~持続...

(2023-07-20)  全て読む

校長会長インタビュー 第8回 学校経営支える校長会目指して

函館市中学校長会長谷川秀雄会長 ―就任に当たっての抱負  黒船で浦賀に来航したペリーも立ち寄った歴史ある、異国情緒あふれる街、函館。歴史的、文化的、地理的にも特徴を持ち「住みたい街」アンケートでは毎年、上位に選ばれている...

(2023-07-20)  全て読む

道高校長協会等文教施策要望 教職員加配 弾力的運用・拡充を 老朽校舎・寄宿舎整備の推進も

 道高校長協会(宮澤一会長)、道高校教頭・副校長会(成田豪会長)、道公立学校事務長会(岩間淳会長)は13日、道教委に対して6年度文教施策に関する要望書を提出した。重点要望では、個別最適な学び...

(2023-07-19)  全て読む

校長会長インタビュー 第7回 「力まず怯まず」子に向き合う

校長会インタビュー・寺本公彦会長 ―会長就任に当たっての抱負  本年度、伝統ある函館市小学校長会の会長という重責を担わせていただくことになり身の引き締まる思いである。4年度の本会会誌「教育春秋」の表紙に「絆」という文字があ...

(2023-07-19)  全て読む

渡島複式研究連盟 経営研教頭部会 全教職員の参画が重要 遠隔合同授業の効果解説

 【函館発】渡島複式教育研究連盟(大山真由美委員長)は7日、北斗市農業振興センターで第43回渡島複式学校経営研究会教頭部会を開催した。渡島教育局の松本了祐義務教育指導班主査が「複式教育におい...

(2023-07-13)  全て読む

胆振管内校長会 後継者育成研修会 子が主語の学校づくり 苫小牧若草小・石川校長が講話

胆振管内校長会後継者育成研修会  【室蘭発】胆振管内校長会(瀧澤義守会長)は6月30日、伊達市カルチャーセンターで後継者育成研修会を開催した。校長を目指す動機や将来像など、楽しく活力のある学校経営の実現に向けて、教育の専門...

(2023-07-13)  全て読む

校長会長インタビュー第5回 「感謝」と「対話」を大切に

胆振管内校長会・瀧澤会長 ―会長2年目の抱負  胆振管内校長会は発足から25年目となり、5年度は小学校60校、中学校39校、小中併置校1校、義務教育学校3校の103人の校長が会員となっている。  本年度は4月に1...

(2023-07-13)  全て読む

中体連 地域スポーツ団体等 162団体登録 柔道最多 全道大会は21日から開催

1面表  道中学校体育連盟(吉本浩志会長)は本年度から参加が可能となった地域スポーツ団体等(地域クラブ活動)の登録状況をまとめた。登録団体は男子(男女合同含む)が142団体、女子が20団体の合計16...

(2023-07-12)  全て読む

校長会長インタビュー第4回 子どもから目を離さない教育

後志小中学校長会会長、中田恭太郎校長 ―会長就任に当たっての抱負  変化の激しい教育界において、校長のかじ取りは難しいものになってきた。校長会は、横のつながりを強化し、互いに助け合い、高め合うことができるような組織でありたいと...

(2023-07-12)  全て読む