校長会長インタビュー 第7回 「力まず怯まず」子に向き合う
(関係団体 2023-07-19付)

校長会インタビュー・寺本公彦会長
寺本公彦会長

―会長就任に当たっての抱負

 本年度、伝統ある函館市小学校長会の会長という重責を担わせていただくことになり身の引き締まる思いである。4年度の本会会誌「教育春秋」の表紙に「絆」という文字がある。この「絆」という言葉は、前会長の新山亨先生が選んだものだ。前会長の思いが伝わるすてきな言葉であると、私は感じている。「絆」という言葉、校長会としての横のつながりを大切にして会員の力を結集し、函館市の教育の充実・発展に力を尽くしたいと考えている。

―市の教育の特色

 市においては「自立」「共生」「創造」を理念とする「函館市教育振興基本計画」に基づき教育活動が行われている。計画は策定から5年が経過し、社会情勢や年度ごとの点検・評価等を踏まえ、ことしの3月に見直しが行われた。

 また、市では「子どもに寄り添う指導・支援の充実」を掲げ、本年度は「すべての子どもが自分らしく過ごせる学校」「すべての子どもが楽しいと感じる授業」の2つの視点から、各校では教育活動の一層の充実に努めている。

―市の教育の課題と対応

 これから求められる学校像の一つに「ICT機器を普段使いしている学校」があると思う。この点において、市ではICTサポーターが各校を訪問し、授業づくり等を支援する体制が本年度で3年目を迎えており、大きな成果を感じている。

 もう一つは「不登校児童生徒へのきめ細かな支援を行っている学校」であると思っている。市では不登校対応の新たな拠点として「サポートベース函館」を南北海道教育センター内に設置するとともに、小学校へのスクールカウンセラーの派遣も拡充された。また、学校独自で“校内サポートルーム”を開設する学校も近年増え始めている。

―アフターコロナへの対応

 本年度「学校ニューノーマル」という言葉を見聞きすることが多くなった。コロナ前の形にただ戻すのではなく、コロナ対応の経験を生かした新たな教育活動を創ることを意味した言葉であると私は捉えている。そのような中、校長会で様々な情報を共有することが大変重要であると感じている。

 そのための取組として、各校の行事の持ち方をクラウド上でいつでも共有できる環境を整え、それらの情報をもとに自校の行事の進め方の参考とする取組を行ってきている。

 また、月1回の定例研修会においては、一つのテーマについて小グループで意見交換する機会を設け、新採用となった校長にも必要な情報を少しでも多く得てもらえるよう研修会の運営を工夫している。5月の定例研修会では、アフターコロナに向かう取組について意見交流を行ったところである。

―教育信条

 私の教員生活において忘れられない大先輩がいる。いつも笑顔で、若輩だった私にも気さくに声をかけてくれるとともに、その場に明るい空気を運んできてくれる先輩だった。

 その方からいただいた「力まず怯まず」という言葉を心に置きながら、子どもたちや職員と向き合うことを大切にしてきているつもりである。変に肩に力を入れず、自然体でいること、しかし、肝心な時にはその状況にしっかりと向き合い、やるべきことを誠意を持って行う、自分なりにこの言葉の意味をこのように捉えながら、今は校長職に励んでいる。

函館市小学校長会会長

寺本 公彦 氏

 昭和62年道教育大函館分校卒、同年砂原町立砂原小に赴任。平成13年函館市立弥生小、17年函館市教委指導主事、22年函館市立深堀小教頭、25年亀田小教頭、28年函館市教委教育指導課長、29年学校教育課長、令和元年弥生小校長、4年八幡小校長。

 昭和39年12月6日生まれ、58歳。函館市出身。

(関係団体 2023-07-19付)

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