北斗市校長会 学力等向上研修会 学習内で焦点を示して 個別最適、協働的学び考える(札幌市 2023-07-05付)
北斗市学力向上研修会
【函館発】北斗市校長会(遠藤淳会長)は6月29日、市内の総合文化センターかなで~るで学力等向上研修会を開いた。市立小・中学校で教務、校内研究に携わる教職員10人が参加し、渡島教育局の松本了祐義務教育指導班主査の講話や助言を通して、個別最適な学びと協働的な学びのあるべき姿を考えた。
市校長会と教頭会、市教委からなる学力向上等推進委員会は毎年、市の教育行政執行方針を反映した「学力向上プラン」を作成。各校に周知するとともに、指導改善に向けた研修を企画し、好実践や課題を市全体で共有している。
本年度は「個別最適な学びと協働的な学びの実現」「ICTの効果的な活用」の2つをテーマに年2回の研修を実施。第1回は、渡島局の松本義務教育指導班主査が講師を務め、個別最適な学びと協働的な学びの目的を分かりやすく解説した。
松本主査は「令和の日本型学校教育構築のゴールは、資質・能力の育成」と提起した上で、主体的な学びと協働的な学びを一体的に充実させるための手だてを解説。自校の研究のキーワードを整理し、個別最適な学びと協働的な学びにつなげる教育課程を考えるなどの事例を挙げた。
一斉指導をテレビ視聴、個別最適な学びを読書に例え「一斉指導は教職員のタイミングによるため、能動的に学ぶことができないが個別最適な学びは子どものペースに委ねられている」と指摘。指導の個別化や学習の個性化の違いについて「個別が目的となる学習の個性化に対し、指導の個別化は児童生徒のペースに合わせて取り組むため、個人差が見られる」と説明した。
個別最適な学びで得た学習内容を、協働的な学びで発信する場面設定については「各教科の特性に応じた見方・考え方の捉え方を整理し、教職員が学習内で焦点を示す必要がある」と強調した。
市内小学校の好事例として4年生国語「休み時間に皆が楽しめる企画を考える」の指導案を紹介し「子どもたちが自分から選択制を決め学べるスキルを得られる」「相手に伝える説明を通して、見方・考え方が協働につながる学習過程となっている」と実践を共有する場面もあった。
講話後、参加者は小・中学校別のグループで「個別最適な学び」「協働的な学び」に関する自校の現状や課題を交流。
小規模校では「他者からの刺激が少ないため、他校との交流で協働的な学びを創出する必要がある」などの意見が上がったほか「資質・能力を身に付けさせる基礎になる部分は集団の親和性。教職員はトライアンドエラーや話すことの脱却を心がける必要がある」「ICTの活用は自分の学びの変容を感じ取れるものにすべき」など、指導のつまずきから得た改善点を活発に協議した。
松本主査は助言で「教科書で示されている活動など“なぜこのような指導を取り入れるのか”を授業者が意識するだけで、児童生徒の学びに向かう姿勢が変わってくると思う」とまとめた。
次回は11月下旬に「ICTの効果的活用」をテーマとした研修を実施する。
(札幌市 2023-07-05付)
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