札幌市教委 4年度人間尊重の教育 多様性に向き合う学校教育の推進③ 多様な性前提に環境整備 制服の選択肢や多目的トイレ等(札幌市 2023-07-04付)
新琴似北中学校
【課題1 「多様な学び」「多様な性」を切り口にした教育活動や学校施設利用等の見直しと推進】
▼児童生徒・学校の実態
▽「多様な性」について学校と相談しながら生活をしている生徒が複数在籍している
▽小学校と連携しながら対応を進めることや、学校での生活について相談があった生徒については、上記の生徒への対応だけでなく、周りの生徒や教職員の対応についても見直すことが重要と考えている
▽全校的な指導の在り方等を見直したり、教職員、生徒ともに「多様な性」について理解を深めたりしてきたが、学年にどう伝えるのか、教職員はどう対応するのがいいのかについて課題意識がある
▽「多様な性」について悩む生徒は潜在的に在籍しているという前提に立ち、個別的な対応で終始するのではない環境づくりを進めることを校内全体で意識し、取り組んでいる
▼ねらい(目標)
▽「多様な性」に関わる生徒への対応と、他校との情報共有の推進
▼活動内容
▽制服の選択肢を増やす=男女によって分けずⅠ型、Ⅱ型とした
▽旅行的行事における個室対応=何度も話し合いながら保護者や本人と「最適」を模索した。個室、部屋風呂対応
▽多目的トイレの新設=市教委の協力があり設置することができそう
▽2学年対象で性の講演会実施(LGBTQについて考える)
▼年間計画
▽3年度から=制服について各家庭への案内文を配付
▽5月=旅行的行事等における個別対応の精査
▽5年2月=校内の環境整備の一環として多目的トイレの新設
▽5年2月=2学年対象性の講演会実施
▼成果
▽制服の選択肢を増やす
スラックスやスカートを選択することを可能とし、学校生活を送る上で子どもの思いや意思を反映できるようにし、少しでも不安を解消できたと考える。また女子のネクタイ着用についても要望があり、これについても検討。
▽多目的トイレの新設
誰でも使えるトイレとして、周知し、どの生徒も安心して使用できるトイレになるように計画中である。活用方法を考えていく上で、あらためて教職員の相互承認の感度を高めることができた。実際これからそのトイレの名称についても検討が行われる。
▼課題
▽精神的負担の軽減
教職員が意識しながら、実際にいる生徒について5月からいかに知らせ浸透し周知をするか。またどのような手だてを取るか検討し、5月から学級指導、学年指導を行ってきた。しかし「多様な性」について相談が可能な生徒ならば、個別の対応として、生徒や保護者の思いに沿いながら対応をすることができるが、潜在的に悩んでいる生徒については、自分が大切にされていると感じることができたのか疑問が残る。
環境が変化していくことが苦手な生徒の精神的安心感のバランスを取りながら「多様な性」を受け入れるための環境づくりを今後さらにどのように行っていくかが課題である。
▽他校(小中等)との情報共有
小学校の講演会に学校長も参加。小学校を含めた他校の対応について情報を収集し(区の中学校教頭会のネットワークなども利用しながら)、パートナー校等にて情報を共有し、つながりのある対応を進めていく。
▼これからの取組の方向性
▽学校全体の理解を深める
・講演会への参加(教師対象)
・校内研修会の開催
・講演会の実施継続(生徒対象)
▽他校(小中等)との情報共有
対象になり得る新入生情報の引き継ぎ等の機会を生かして、対応についても共有していく。
▽環境整備
「多様な性」について施設利用の仕方、生徒への関わり方等、誰もが安心して生活できる環境を整える。
▽これからについて
研究事業で実際に課題を持つ生徒は過ごしやすくなったと思うが、それが高校等につながっていかなければ意味が薄い。実際にこのことが理由で生徒を引き受けられないと言われた事例があった。中と高との連携が大事になると感じる。
(札幌市 2023-07-04付)
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