札幌市教委 4年度人間尊重の教育 多様性に向き合う学校教育の推進④ 多様な性認め合う風土 標準服見直しや講演会など
(札幌市 2023-07-06付)

元町中学校

【課題1 「多様な学び」「多様な性」を切り口にした教育活動や学校施設利用等の見直しと推進】

▼児童生徒・学校の実態

▽別室登校をしている生徒、不登校傾向の生徒がいる

▽別室登校の生徒は「自学自習を基本」として、相談支援パートナーが「学習を見守る」対応を基本としている

▽別室や自宅での「オンライン授業」については、希望があれば対応をしている

▽標準服の見直しをきっかけに、LGBTsに対する理解が校内的に高まりつつある

▽「性についての講演会」「人権教室」「いじめ防止学活」等の実施によって、人権意識や多様性を認める雰囲気が高まりつつある

▼ねらい(目標)

 全ての生徒が「自分が大切にされている」と実感できる学校づくりのために、個別最適な学習環境を提供し、多様な性の在り方が尊重される学校風土を醸成する。

▼活動内容

▽別室登校生徒や不登校傾向生徒に対する、1人1台端末を活用した個に応じた学習支援の実施

▽不登校傾向生徒と担任による「クラスルーム」を用いての交流

▽「多様な性」を認め合う学校風土の醸成

▽複数の講演会を実施することで、人権について、いろいろな角度から生徒が考えることのできる機会と時間を保障

▼年間計画

▽4月

・新標準服での生活スタート(1年生)

・2・3年生への標準服導入の経緯(ジェンダーフリー等)説明

・別室登校生徒へのオンライン授業開始

・不登校傾向生徒と担任による「クラスルーム」の運用開始

▽7月

・人権擁護委員による「人権教室」の実施

▽12月

・「多様性の尊重」に関する講演会の実施

▽5年1月

・人権擁護委員による「性の講演会(デートDV防止)」の実施

▽5年2月

・生徒会役員による「いじめ防止学活」の実施

▼成果

▽教職員の意識の変容

 別室や自宅でのオンライン授業を希望する生徒に対して、学びを保障する重要性についての意識が高揚した。

 教室にいない生徒に対して、どのような形で学習支援をするのか、校内研修会等で考える雰囲気が生まれた。

▽「多様な性」に関する理解の向上

 教職員の中では、LGBTsの生徒がどのクラスにもいる前提で、性別にとらわれず「一人の人間」として尊重しようとする意識が高まっている。生徒の呼称についても「~さん」で統一していくことが共通理解されている。

 生徒間では、差別や偏見をなくし、誰に対しても「一人の人間」として接する自覚が深まりつつある。

▼課題

▽学校施設や学校行事の整備

・多目的トイレがないため、嫌な思いをしながらトイレを使用している生徒がいるという認識を全ての教職員が持つこと

・修学旅行などの宿泊を伴う行事において、LGBTsの生徒にどのように対応していくかの具体策を明確にしていくこと

▽連絡が取りにくい生徒への支援

 別室登校に至らず、学校と連絡がつきにくい生徒について、学習支援のきっかけがつかめなない場合がある。また、別室登校等を保護者および本人と約束をしても実現できない家庭があることから、関係機関とも連携しながら「継続的に連絡を取る」ことの重要性を、全教職員が強く認識するようにしたい。

▼これからの取組の方向性

▽柔軟な学校対応

 従来の慣習にとらわれることなく、保護者・生徒の要望に耳を傾けて、合理的と思われるものは積極的に対応していく。

▽多様性を認める雰囲気づくり

 講演会、道徳の授業、特別活動などを有機的に結び付け、年間の見通しを持ちながら人権意識を高め、多様性を認める雰囲気を醸成していく。

 社会科の授業を中心に「人権教育」を継続することで「個人として尊重」されることの必然性を生徒に認識させるように、働きかけていく。

(札幌市 2023-07-06付)

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