札幌市立学校の教職員時間外在校時間　月４５時間以内　幼は概ね８０％超　中学校で長時間勤務課題に

（札幌市 2023-07-10付）

時間外在校等時間が月４５時間以内の教職員の割合（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市教委は、４年度市立学校等における教職員の時間外在校等時間を公表した。今回初めて幼稚園分を公表し、時間外在校等時間が月４５時間以内の教職員の割合は、９月と３月を除く１０ヵ月で８０％を超えた。一方、中学校では時間外在校等時間の１人当たりの平均値が４５時間を超える月が３ヵ月生じているなど、長時間勤務が課題となっている。

　市教委は、市立学校における働き方改革の推進に向け、２年度から出退勤管理システムを導入。教職員の勤務状況を正確に把握し業務改善につなげるため、３年１２月からは２次元バーコードを用いたシステムを運用している。

　地域・保護者が教職員の勤務状況を把握するとともに、教職員が学校間の状況を理解することを目的に「時間外在校等時間が月４５時間以内の教職員の割合」「教職員１人当たりの平均値」の集計結果を３年度分から市ホームページで公表している。

　新たな出退勤管理システムの導入によってシフト勤務にも対応した正確な勤怠時間が把握できるようになったとして、今回、幼稚園の時間外在校等時間を初めて公表した。

　各校種における時間外在校等時間が月４５時間以内の割合をみると、幼稚園の最低は９月の６９・５％。次いで３月の７８・１％となり、それ以外の１０ヵ月で８０％を超えた。

　それ以外の４校種は４月が最も低く、小学校で５６・８％、中学校で４３・８％、高校で６８・４％、特別支援学校で８２・４％。一方、前年度と比べると小学校で８ポイント、中学校で６・９ポイント、高校で５・６ポイント改善した。

　１人当たりの平均値をみると、最高は中学校の４月で５５・３時間。さらに、５月が４５・８時間、６月が４６・６時間と、中学校では４５時間を超える月が３ヵ月生じていた。部活動指導が要因の一つと考えられることから、市教委は引き続き外部人材の活用など負担軽減に努めていくとしている。

　その他の校種では、幼稚園の最高は９月の３６・５時間、小学校は４月の４３・７時間、高校は７月の３８・２時間、特別支援学校は４月の２６・６時間だった。

　市教委では「年度末から年度初めは業務が集中してしまうことから、既存業務の見直しや分散等を働きかけていきたい」としている。

(札幌市 2023-07-10付)