札幌市教委 4年度人間尊重の教育 多様性に向き合う学校教育の推進⑤ 子も教師も元気になる学校 MLAやピアサポート等通し
(札幌市 2023-07-07付)

平岸小学校

【課題1 「多様な学び」「多様な性」を切り口にした教育活動や学校施設利用等の見直しと推進】

▼児童・学校の実態

 自分の感情を理解できない子、感情や行動のコントロールが苦手な子、友達との望ましい関わり方が分からない子が困りを抱えている。教師の疲弊も大きい。

 コミュニケーションスキルや問題解決、意思決定スキルなどの育成を学校全体で包括的に行っていくことで、困りを抱えた子だけでなく、どの子も自分の気持ちを大切にする学習体験や人に尊重される経験ができる。そうすることで相手の気持ちを大切にすることにつながり、自己肯定感を高めることや、人権尊重の意識を育むことにつながると考えた。

▼ねらい(目標)

 MLA(マルチ・レベル・アプローチ)を通して「だれもが行きたくなる学級・学校づくり」を進めることで、子どもが元気になるだけでなく、教師も元気になり、地域や家庭から信頼されるような学校づくりを目指す。

▼活動内容

▽MLA研修企画=MLAについての教職員の理解を深めるための研修を企画する

▽アセス研修企画=アセスの考察の仕方について理解を深めるための研修を企画する

▽PBIS(ポジティブな行動介入と支援)推進=学級活動部と協力してPBISの計画を立て、推進する

▽ピア・サポート推進=児童活動部や行事部と協力してピア・サポートを推進する

▽協同学習推進=学習改善部と協力して協同学習を推進する

▽ハッピータイム推進=SEL(ソーシャルアンドエモーショナルラーニング)についてアドバイスや必要な情報を提供する

▼年間計画

▽4~12月=ハッピータイム(SEL)の年間計画、PBIS・ピア・サポート研修会実施

▽4~12月=ハッピータイム(SEL)実施、振り返り

▽5~12月=1回目のアセス実施(2~6年生)、アセス分析

▽7月=MLA研修実施

▽10月2回目のアセス実施(全学年)、アセス分析

▽12月=反省、次年度計画案提出

▽5年3月=次年度改善点共有、次年度計画決定

▼成果

▽教職員自らの人間尊重の意識の向上

 学校としてチームで子どもたちに関わっていくことで、本事業のねらいとしている「広い視野を持ち同僚性を発揮しながら、教職員自らが相互承認の感度を高めていく」という目的に近づくことができた。

▽子ども自身が自分を振り返り、人間尊重の意識の高まりに気付く

 交流学年(1・6年、2・4年、3・5年)でのピア・サポートを行ったことで、子ども一人ひとりが自己有用感や上の学年の仲間に大切にされているという思いを抱いていた。また、PBISで児童が「正のフィードバック」を受けることで、自らの良さを実感できていた。

▼課題

▽教職員自らの人間尊重の意識の向上

 「広い視野を持ち同僚性を発揮しながら、様々な人権課題に向き合い、教職員自らが相互承認の感度を高めていけるように」なるためには、研修を充実させる必要があったが、十分な時間確保が難しかった。

▽子ども自身が自分を振り返り、人間尊重の意識の高まりに気付く

 子ども同士の関わりとしての「交流学年によるピアサポート」の実施は1年目だったため、子どもの振り返りの活動や子どもたち自身が計画する活動が少なかった。

▼これからの取組の方向性

 5年度は、3ヵ年計画の3年目となり、包括的生徒指導を構成する4つの取組全てを実施していくことになる。この取組の効果が十分に発揮できるよう、研修をより一層大切にしていく。年度当初から年間予定に研修を組み込み、チーム学校としての力が高まるようにしていく。

 子どもの振り返りの活動や子どもたち自身が計画する活動を充実させていく。

(札幌市 2023-07-07付)

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