滝川市5年度教育行政執行方針 オンラインフリースクール 仕組みを検討 部活動地域移行へ協議会も
(市町村 2023-07-20付)

滝川市田中嘉樹
田中教育長

 【岩見沢発】滝川市教委の田中嘉樹教育長は第2回定例市議会で教育行政執行方針を説明した。小・中学校の部活動の地域移行に向けて、関係機関と協議しながら地域協議会の設置に向けた取組を推進。不登校児童生徒の学びの機会を広げるため、自宅にいながらオンライン型のフリースクールに通える仕組みづくりなど、新たな支援策について検討する。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育について

▽確かな学力と幅広い知識と教養、職業実践力を育む

 主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を推進するため、道教委の新しいかたちの学びの授業力向上推進事業を滝川第三小と滝川西小が推進教員配置校として主導し、成果をほかの学校に広げていく。

 学びサポーターをはじめとする各種スタッフの配置によって、効果的な少人数指導、習熟度別指導を推進するとともに、教育委員会が毎年作成するICT活用実践事例集や各学年で身に付けるべきICTスキルを示す一覧表をもとに1人1台端末を効果的に活用し、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に推進。

 外国語を使ったコミュニケーション能力の向上と異文化を理解する力を育成するため、ALTによる授業支援に加え、長期休業期間を利用したオンライン個別学習ALT英会話学習を実施する。また、英検ESGや英検IBAの取組結果を分析し、児童生徒の読む書く聞く話すのバランスの取れた英語力の育成を図る。

 家庭での学習習慣の定着を図るため、各学校で作成する家庭学習の手引などの活用を徹底するとともに、オンライン学習システムである文部科学省CBTシステムをはじめとしたデジタル教材を活用し、学力向上を図る。

 キャリア教育については、自らの力で生き方を選択していくための必要な能力や態度を身に付けることができるよう、発達段階に応じた職業体験学習など地元の企業と連携した職業教育に取り組む。

▽豊かな心と健やかな体を育み、多様な教育ニーズに対応

 子どもたちの豊かな情操や道徳的実践力を育むため、道徳教育推進事業の一環として新たに外部講師による研修会を実施することによって考え、議論する道徳への質的転換を図る。

 いじめの防止対策については「絆づくり成果交流会」を開催し、各学校の児童会・生徒会活動によるいじめを絶対に許さない学校づくりの取組を互いに共有し合うことで、いじめ撲滅に向けた児童生徒による主体的な活動を支援する。

 体育専科エキスパート教諭を新たに配置し、専門性を生かした指導や運動意欲を高める取組を実践し、児童生徒の運動習慣の確立と体力の向上を図る。

 不登校児童生徒の学びの機会を広げるため、自宅にいながらオンライン型のフリースクールに通える仕組みづくりなど、新たな支援策についても検討する。

▽育ちと学びを支える教育環境の整備

 今後、少子化に伴う児童生徒数の減少で、学校単位での部活動の維持が困難になることが予想されるため、小・中学校の部活動の地域移行に向けて、先進事例を参考に、関係機関と協議しながら地域協議会の設置に向けた取組を進める。

▽滝川西高校の教育の充実を進める

 年次進行で適用される新学習指導要領で重要とされた、情報教育や防災・安全教育のほか、国際社会や地域社会に貢献する意欲を養う教育活動の工夫が図られるよう、ICT機器等のさらなる拡充として、体育館への大型電動スクリーンの設置や音響設備の改修など教育環境の整備に努める。

 英語教育・国際理解教育については、グローバル人材を育成するため、ALTを2人配置し、日常英会話のほか、目的や場面に応じた英語でのコミュニケーション能力の向上を図る。また、姉妹校であるアメリカ・ロングメドー高校、ならびに交流提携校であるスウェーデン・ヴィトフェルスカ高校とオンラインなどで交流を継続しながら、コロナ禍で中断されていた短期留学が再開できるよう情報の収集や関係機関等との調整などを進めていく。

 キャリア教育については、社会や地域とのつながりを意識し、企業へのインターンシップによる体験的活動やブース型進路相談会を開催し、生徒が直接高等教育機関や看護学校、管内企業の担当者に相談できる機会を設けるほか、大学の講義を体験できる大学出張講義を國學院大學北海道短期大学部との高大連携事業として実施するなど、進路への意欲を高め多様な進路希望の実現を図る。

▼社会教育について

 情報モラル教育については、子どもたちがスマートフォンに触れる時間が増え、全国的にもSNSを通じたトラブルが多様化・深刻化していることから、総務省が推進するe―ネットキャラバンを活用した外部講師による啓発活動を実施するほか、乳幼児健診時に保護者向けの啓発文書を配布するなど、地域や企業、学校と連携を図りながら、年齢や環境に合わせた啓発活動に取り組む。

(市町村 2023-07-20付)

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