部活動地域移行へ十勝管内２町村　中札内村教委　説明会開く　地域に応じ運営体制を　道スポーツ協・熊耳氏が解説

（市町村 2023-07-21付）

中札内村・部活動地域移行説明会

　中札内村教委は１０日、村内の創造文化センターで部活動地域移行説明会を開いた。道教委の部活動の在り方検討支援アドバイザー派遣事業を活用し、公益財団法人北海道スポーツ協会のクラブアドバイザーを務める熊耳雅美さんを招聘。参加者間の意見交換では、子どもたちがスポーツや文化芸術活動に親しむ機会を持続的に確保する方法などについて話し合った。

　村教委は６月中旬に部活動地域移行推進協議会を設置し、本年度から３ヵ年の推進計画を共有。平日の指導を含めた部活動の地域移行を進める考えで、スポーツ少年団の９年制や地域指導者に対する生徒指導面の研修機会などを提案している。

　この日、中札内村、更別村、大樹町、広尾町の十勝南部４町村から、教育関係者や地域住民ら約８０人が参加した。

　上田禎子教育長は開会に当たり「子どもの可能性や活動の選択肢を広げ、“子どもたちのため”を第一に」と取組の目的を強調。村内の地域総合型スポーツクラブ・ピータンスポーツクラブや文化連盟と連携し、複数のスポーツ競技に親しむ機会の確保や、文化芸術の後継者育成にもつなげることを提案した。

　続いて、熊耳さんが国の動向や道内の先行事例などを説いた。部活動の地域移行に関して「学校部活動を地域をそのまま受け皿に移すことではない」「地域全体で関わる体制整備が大切」と示唆。市区町村運営型や地域スポーツ団体等運営型など、地域クラブ活動の運営形態を解説し「正解はないため、地域の実情に応じて運営体制を整えてほしい」と呼びかけた。

　また、村教委が提唱する「スポーツ少年団の９年制」に触れ、季節等によって複数種目を行う併行種目型、年間を通して多様な種目を行う複合種目型など、スポーツ少年団の活動タイプを解説した。「地域移行に当たり、移動手段や資金などに注目しがちだが、方向性の合意形成から各論の議論に向かうことが大切」と伝えた。

　このあと参加者間で、子どもたちがスポーツや文化芸術活動に親しむ機会を持続的に確保するために意見交換を行った。

　「小中学生のうちに多様な競技に触れることで体づくりにつなげ、視野を広げることが大事」「大人と子どもが同じ競技に親しめる環境が楽しみ」「地域の指導者と子どもの循環がうまく回ると、地域づくりにつながりそう」「部活動がないと触れられない種目にも地域で親しむ機会が生まれそう」などの意見が上がった。

(市町村 2023-07-21付)