足寄町５年度教育行政執行方針　検証改善サイクル確立　効率の良い指導を工夫

（市町村 2023-07-25付）

東海林弘哉教育長

　【帯広発】足寄町教委の東海林弘哉教育長は５年度教育行政執行方針において、教育課程の充実や学力を高める検証改善サイクルを確立することを示した。生涯学習推進アドバイザーの指導のもと、小・中・高で連携・協働し、効率の良い指導方法・指導体制を工夫する。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

　確かな学力では、少人数指導や習熟度別学習、長期休業中の学習機会の提供、家庭への啓発活動等に取り組む。各種調査や分析結果を踏まえた学力向上推進プランを示し、主体的・対話的で深い学びによる授業改善を図る。指導内容の調整についても、小・中・高で連携・協働し、効率の良い指導方法・指導体制を工夫する。

　豊かな心では、教育相談や特別の教科道徳の充実、読書活動の推進、ＳＮＳ等の情報モラル教育の徹底に取り組む。読書については、豊かな感性を育む読書活動を充実させるため、移動図書や巡回配本、図書館司書の学校訪問相談等、町図書館と学校の連携を図る。

　いじめについては、町いじめ防止基本法に基づき、積極的に認知し重大事態を引き起こさないよう指導する。不登校対応については、学校・保護者・関係機関の連携強化を図り、改善を目指す。

　健やかな体では、全国体力・運動能力、運動習慣等調査や新体力テストの実施結果を踏まえ、体育・保健体育の改善や体力づくり運動の持続化に努め、体力向上や運動の習慣化を図る。

　食育では、栄養教諭と連携して食に関する指導を充実させるとともに、学校給食の衛生・安全管理を徹底する。地場産食材の積極的な活用によるふるさと給食等を継続し、安全・安心で楽しい給食の提供に努める。

　国際理解教育では、国際交流員を活用して小学校の英語教科や外国語活動および中学校の英語教科などの支援を図り、英語力の向上や異文化理解など国際理解教育の推進に努める。

　ふるさと教育、キャリア教育では、関係機関・団体等との協力・調整を図り、地域人材の活用や職場訪問体験学習などを通して、ふるさと足寄への愛着や望ましい職業観・勤労観を培っていく。

　ＩＣＴによる教育では、１人１台端末を活用した個別最適な学びと協働的な学びの充実を図る。きめ細かな複式教育や長期欠席児童生徒への支援等、多様なＩＣＴ活用についても工夫する。

　特別支援教育では、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な教育を実施するため、社会的自立や合理的配慮を踏まえた個別の教育支援計画に基づいた教育活動の展開や学習支援員の継続配置、あしょろ子どもセンターとの連携強化等、支援体制の充実に努めていく。

　教職員の人材育成については、道教委の研修履歴を活用した新たな研修制度を受け、幅広い研修内容の展開に工夫する。

　教職員の働き方改革については、町アクションプランを継続し、土日の部活動の地域移行についても検討協議会を設置し、足寄らしい対応を検討する。

　前年度から導入した町内全小・中学校コミュニティ・スクールについては、地域学校協働活動との一体的な取組を推進するとともに、町内全ての学校のネットワークが強固なものとなるよう基盤づくりを行う。

　足寄高校教育振興の推進について、足寄高の存続・２間口確保に向けた取組では、足寄高校振興会等関係団体と連携・協議し、通学費や希望生徒への給食の提供、海外研修派遣、足寄町学習塾、多目的交流施設等への支援を継続するとともに、振興策について広く周知するよう努める。

　足寄高生海外研修派遣事業は、コロナ禍によって３年間実施できなかったが、国際理解教育、探究活動の充実の観点からも本年度から高校２年生も対象に加え、実施する予定。

(市町村 2023-07-25付)