芽室町 精力的に地学協働活動展開 子の個別最適な学び支援 ボランティア100人以上登録(市町村 2023-07-28付)
芽室町地学協働活動
【帯広発】芽室町では、地域住民が日常的な教育活動を支える地域学校協働活動が盛んに行われている。学校支援ボランティアに参加したことで「子どもたちから元気をもらった」という声が住民から住民へと広まり、今では100人以上が登録。“地域の子どもは地域で育てる”という意識のもと、幅広い知識や経験を持った地域の人たちが、子どもたちの個別最適な学びを支えている。
町内の地域学校協働本部「めむろ郷育・夢育応援団本部」は、地域の広いコミュニティーを活用して教育活動に参画している。元年度、全小・中学校へのコミュニティ・スクール(CS)導入に伴い、町教委が中学校区ごとに配置したCSコーディネーター3人が、学校と地域の橋渡し役を担う。
地域学校協働活動を支えるのは、応援団本部団員として活動する学校支援ボランティア。登録時、協力できる内容や得意なことを町教委が把握し、学校の要望に応じてCSコーディネーターが連絡・調整を図っている。元年度から始動し、コロナ禍にあっても様々な形で教育活動を支えた。
ボランティア参加者から上がった「子どもたちと接することで元気が出る」「自分の子どもが社会に巣立ち、小さい子と触れ合う貴重な時間になっている」などの声が地域に広まったことが参加者を増やし、今では100人を超える住民が登録。家庭教育学級による保護者支援が盛んな町内ならではの土壌が垣間見える。
6月下旬、芽室小学校(塩田直之校長)の5年生家庭科の授業に、地域住民6人がボランティアとして参加。学級数が多い同校では、午前と午後に分かれて3人ずつ授業に入った。真剣な表情で針に糸を通す児童たちを、地域住民が温かく見守る。波縫いや本返し縫いなど、様々な縫い方を練習する児童たち。「途中から分からなくなった」「玉止めが難しい」と周囲の大人に助けを求めると、ボランティアがすぐさま駆け寄りアドバイスを送った。
同校によると、針や裁ちばさみを使う家庭科の授業では「教員1人で30人を超える児童たちの安全を確保することは難しい」という。知識と技術を持つ地域住民が授業に入ることで、多くの目で児童たちを見守り、個別最適な学びを提供することができている。
教職員は、地域住民による支援に対し「子どもたちのやる気が上がり、楽しんでいる様子が伝わる」「授業をスムーズに進行できる」と、多くの利点を実感。塩田校長は「地域の人たちが入ることで、子どもも大人も心地良い緊張感を持って授業に臨むことができている」と手応えを口にする。「地域コミュニティーの核となる場として、学校で幅広い世代間交流が実現できれば」と話している。
新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行した今、地域住民による来校へのハードルも下がっている。コーディネーターの一人、高桑衣佳さんは「地域の人たちが学校の中に入るきっかけをつくり、地域を核とした学校づくりにつなげたい」と意気込む。
町教委は8月上旬に学校支援ボランティアと教職員による交流の場を設ける。初実施となった前年度は学校管理職が中心だったが、本年度は授業づくりに日々励む教員の積極的な参加を呼びかけている。「ボランティア参加者と教職員が考えを共有し、共通理解を図る場になれば」と期待を寄せる。
(市町村 2023-07-28付)
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