大樹町5年度教育行政執行方針 GIGA運営支援センターを設置 中学校バリアフリー設計も
(市町村 2023-07-25付)

大樹町教育長沼田拓己
沼田拓己教育長

 【帯広発】大樹町教委の沼田拓己教育長は5年度教育行政執行方針において、GIGAスクール運営支援センターを設置することを示した。また、特別な教育的支援を必要とする子どもたちの在籍状況を踏まえ、中学校校舎のバリアフリー化改修設計を行う。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の育成

 平成24年度から道教委の指定を受けている「学校力向上に関する総合実践事業」の取組を活性化することで「個別最適な学び」「協働的な学び」を一体的に進め、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善に努める。

 学力の二極化が顕著な上、低位層が厚く、基礎学力の確実な定着が継続的課題となっているため、積み上げてきた学校の教育実践とICTを最適に組み合わせることで、学ぶことの楽しさ、分かることのうれしさを実感する授業を実践し、学力向上を図る。

 本年度の小学校1年生、3年生の通常学級の在籍数は35人を下回っていることから、学年1学級になってしまうため、町の自主財源で教諭を雇い、それぞれ2学級編制として、きめ細かい指導の充実を図る。

 外国語教育の充実については、平成28年から英語指導助手を2人体制としているメリットを最大化し、認定こども園への派遣回数の増加、小中学生向けの英会話教室の開催、大樹高校における英語授業への派遣など、生きた英語に親しむ教育環境の充実とSDGsを念頭にした異文化理解や英語でのコミュニケーション活動を進める。

▼豊かな心の育成

 「他人事」ではなく「自分事」として、しっかり自分の生き様や道徳的価値と向き合い「考え、議論する道徳」の充実に努める。

 日常生活で気になる言動・行動を見逃さず、良い学習の好機として捉え、人間性を磨く教育環境づくりを心がける。

 風通しの良い学校づくり・スピード感のある組織的対応を支援し、情報共有を図り、問題行動の未然防止・早期発見・早期改善に取り組む。

 複雑な家庭環境・養育歴等を背景に発生する問題行動に適切に対応するため、福祉・医療、警察等の専門機関との連携・協働に努める。

▼特別支援教育

 町小中高連携教育推進委員会や町特別支援教育振興会の活動を通じて、学校間の情報共有と研修の機会を拡充させて、多様な学びの場の充実、小・中学校の連続性を重視した指導や支援の充実、特別支援教育の専門性の向上を図る。

 今後、特別な教育的支援を必要とする子どもたちの在籍状況を踏まえて、中学校校舎のバリアフリー化改修設計を行う。

▼教育DX

 学校教育の情報化に関しては、ICT機器を「整備する」段階から「有効に活用する」段階に移行している。1人1台端末や大型テレビ等のハードウエア、教師用デジタル教科書やデジタルドリルなどのソフトウエアを一体的に活用していくことで、ICTを活用した子どもの資質・能力の向上、教師のICTの指導力向上、学校事務の効率化などに努める。

 学校現場や教職員に対するICT専門家による助言や支援が必要なことから、GIGAスクール運営支援センターを設置し、学校や教職員へのサポートに努める。

▼小中高連携の推進

 小・中学校における「大樹学」と大樹高における「総合的な探究の時間」との関連や系統を整理し、小中高12年間にわたるカリキュラムを編成、実施することで、ふるさとへの愛着と誇りを備え、地域社会や世界で活躍する子どもの育成を図る。

 「大樹学」の充実に向けて、酪農、漁業、林業など基幹産業である第1次産業や豊かな自然を生かした観光業、全国的にも注目されている宇宙関連産業、さらには最良の教材と言える地域人材など、町の教育資源を生かし、全町を挙げた支援体制の構築に努める。

▼大樹高校の充実・活性化への支援

 普通科新学科設置を大樹高の持続化、間口増のチャンスと捉え、大樹高が新学科を設置する普通科高校としての魅力と特色あるカリキュラムを持った学びやであることを広く周知し、生徒の確保と高校の活性化に向けた支援の充実に努める。

 支援の体制については、大樹高との連携を密に図りながら具体的支援に結び付ける機動性のあるワーキンググループを大樹高活性化推進協議会内に設け、スピード感を持って必要な支援を具体化する。

▼スポーツ活動の推進

 部活動の地域移行に関しては、生徒数が減少する中、持続的に維持するため、「町部活動等地域連携推進協議会」を立ち上げ、課題解決を図りつつ、本町の状況を踏まえた取組、体制づくりについて検討する。

(市町村 2023-07-25付)

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