上磯高存続へ検討会開催 学校魅力化へ意見交換 北斗高等支援との連携など(学校 2023-07-26付)
上磯高校存続に向けた検討協議会
【函館発】上磯高校(藤井浩之校長)は20日、北斗市総合文化センターかなで~るで同校の存続に関する検討協議会を開いた。北斗市や函館市の教育関係者、PTAなど50人が参加。生徒数の減少が続き、存続が危ぶまれている同校の魅力化に向け、藤井校長や北斗市教委の永田裕教育長らが地域住民や道教委、中学校関係者に協力を求めた。
同校の本年度入学者数は15人で25人の欠員が生じている。次年度も生徒数の減少が続いた場合「地域連携校以外で1年生在籍者数が2年連続20人未満」とされている再編基準にかかり、9年度の募集停止となる可能性がある。
会議では、道教委高校教育課の前野文繁主査が渡島学区における高校配置状況や配置の基本的な考え方を説明した。小規模校の課題について「大学進学につながらない」「学校の実態が見えにくい」など小中学生や保護者を対象に実施したアンケート調査結果を参考に示した。
また、同校が所在する旧上磯町中卒者数の進路動向について、入学者数の9割が地元の中学校を卒業している状況にある特徴を指摘。「旧上磯町の中卒者数をいかに確保できるかが重要」とした上で「小規模校は教員による手厚い指導が受けられ、生徒が主体性を発揮できやすい環境にある。こうした視点を踏まえ、地域と共に魅力化に向けた方策を探ってほしい」と呼びかけた。
藤井校長は生徒の自己有用感の向上や寄り添う指導の徹底を学校経営の重点としていることを伝え、道の事業を活用したICT教育の推進や併設校の北斗高等支援学校との連携など、同校の特色ある教育活動を紹介。
本年度は地域連携協議会を設置し、生徒と地域、PTAの参画場面を増やしていく方針を示し「少人数だからこそ生徒一人ひとりにスポットライトが当たりやすい。やりたいことに参画できる環境に努め、学校生活の満足度を上げたい」と力を込めた。
質疑応答では、同窓会員から高校配置の定員調整を問う質問が上がったほか、北斗市教委の永田教育長が道教委に同校の存続に向けた協力を要請。時代の変化に合わせたインクルーシブ教育の必要性を説き「通常の学校と分離した人間関係を同世代の学校の中で培えるのは、上磯高と北斗高等支援の大きな役割。インクルーシブ教育のモデル校として存続を検討してほしい」と求めた。
(学校 2023-07-26付)
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