函館えさん小、椴法華小、つつじ保 幼小連携推進協を発足 接続期の教育充実へ研修会(学校 2023-07-25付)
えさん小幼保小連携研修
【函館発】函館市立えさん小学校(長浦紀華校長)と椴法華小学校(寺崎歩校長)、認定こども園函館市つつじ保育園は本年度、幼少接続期の教育充実に向け恵山・椴法華地区幼小連携推進協議会を立ち上げた。5日、えさん小で行われた第1回合同研修会では、長浦校長が現代に求められる幼児教育の在り方を講義。両校とつつじ保育園の教職員約20人が参加し、主体的な遊びや教職員の働きかけの工夫について理解を深めるとともに、幼児期の終わりまでに育つ子どもの姿を見通した教育の在り方を考えた。
協議会を通して、長浦校長に園内研修の講師依頼があったのを機に企画。道教委勤務時に道幼児教育推進センターの開設準備に携わった経験のある長浦校長が講師を務め、小学校教員も幼児教育の正しい理解を図ることを目的に合同で実施した。
研修は円滑な幼小接続に向け、幼児教育の在り方について考えるとともに、小学校入学時のスタートカリキュラムを見直す視点を広げる内容とした。
長浦校長は「主体的・対話的で深い学びを実現する幼児教育」をテーマに質の高い幼児教育について説明した。社会や学習に対する前向きな傾向を示す、非認知能力を乳幼児期に獲得することの影響として、アメリカの経済学者ジェームズ・ヘックマンが著したペリー就学前計画をもとに解説。幼児期に受ける教育内容によって、生涯の学力向上や所得向上、犯罪率の経過などにつながることを示した。
数値化することが難しい非認知能力の習得は「種になる雪玉が雪だるまになるイメージ」と例え、幼児期や低学年の子どもに対するきめ細かな働きかけを説明した。
幼児期に身に付ける生活習慣の重要性について「場面ごとに気持ちの切り替えができるようになる」「自分をコントロールして物事を進められる力が身に付く」などを挙げ、園の生活で過ごす環境が学びに向かう姿勢に形成されることを解説。特に年長期に育む生活習慣は小学校入学後の学習態度に表れるとした。
教職員の心構えについては「専門性を自覚し、一人ひとりの子どもにきめ細かな指導を徹底していくことが大切」とした上で、具体的な指導の工夫を紹介した。
子どもに注意する際のささいな言動の違いによって、子どもに不安感を与えかねない可能性があるほか「決められた運動より自由な遊びの方が効果的」「遊び込む、遊び切る経験や子どもに活動の見通しを持たせる活動」など主体性を育む遊びの工夫を紹介。つつじ園の保育の様子を視察した長浦校長が、同園で行っている掲示物や遊びの工夫について、良さや課題を指摘する場面もあった。
講義後は、国内で特色ある保育を実践している園の動画視聴を通し、園・学校の垣根を越えた参加者が求められる幼児教育の在り方をあらためて共有した。
(学校 2023-07-25付)
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