コロナ禍の教育活動への影響 将来に備え振り返りを 報告書作成へ道教育推進会議
(道・道教委 2023-07-26付)

教育推進会議
開会式であいさつに立つ伊賀教職員局長

 道教育推進会議(大野栄三会長)は14日、札幌市内の道第二水産ビルで第9期第10回会議を開き、道教委の活動状況に関する点検・評価報告書の取りまとめに向けて審議した。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた道教委の今後の取組を盛り込むことを確認。委員からは、将来の感染症出現にも備え、コロナ禍の対応を振り返る必要性が示された。

 対面・オンライン併用で開催し、委員8人と道教委の局長・課長ら17人が参加した。

 伊賀治康総務政策局長のあいさつに続き、荒川裕美教育政策課長が委員の意見を踏まえ修正した4年度道教委の活動状況に関する点検・評価報告書を説明。新型コロナウイルス感染症の影響で実績値が伸びていないと思われる施策の指標が多数あるとの指摘があったことから、実績値が伸びなかった指標で今後の取組を示す方針を確認した。

 続いて意見交換を実施。児童生徒の体力・運動能力の低下など感染症による影響を懸念する声が上がり、将来の対応にも備えて評価が低下した指標の要因を分析するよう提案した。

 保護者の立場からは、教員・保護者双方の顔の見える関係づくりを要望。マスク着用が長く続いたため、子どもの引き渡し訓練の際に教員が本当の保護者かどうかを確認できているか懸念する声があった。

 また、コロナ禍で停滞した職業体験やインターンシップの充実を求め「子どもたちが簡単にお金を稼ごうという風潮もある。社会の役に立つ仕事に興味を持ってほしい」と求めた。

 このほか、ラピダス社による半導体工場建設を契機として小・中学校段階から半導体やITに親しむ体験機会を提供するよう提案。「本格稼働生産は令和9年。次期教育推進計画にも合致するため、外部環境に適合させた具体的な施策や他府県等の事例等も取り入れた形で新しい取組を進めてほしい」と求めた。

 道教委の川端香代子学校教育局長は、小・中学校の早期からのキャリア教育が重要とし、広域な本道のどの地域でも半導体をはじめ様々な産業を学べる教育環境へ検討を進める考えを示した。

 次回8月17日の会議で点検・評価報告書の最終案を最終審議し、9月の道議会文教委員会で報告する。

(道・道教委 2023-07-26付)

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