スポーツ医科学支援体制構築 北海道でモデル事業開始 十勝地区の高校部活動を支援
(道・道教委 2023-07-27付)

 道、札幌市、札幌医科大学、道スポーツ協会で構成する道スポーツ医・科学コンソーシアムは本年度から3ヵ年計画で本道のアスリートを支援する体制の構築に取り組む。スポーツ庁の委託を受けて開始する新たな試みで、関係機関が連携・協働してメディカルチェックや栄養・心理サポートなどを行う。5年度は無月経や骨粗しょう症など女性特有の健康課題に関する情報を発信するほか、十勝地区をモデル地域として高校の部活動アスリートへの支援を行う。

 同コンソーシアムはスポーツ庁の新規事業「地域におけるスポーツ医・科学サポート体制構築事業」の採択を受けて19日付で設立された。関係機関の情報、知識、リソース等を連携・共有し、スポーツ医・科学支援を提供する体制のモデル構築を目指す。

 事業期間は5~7年度の3年間。冬季競技の年代別トップアスリートや、道内各地域に潜在する高い競技能力を持つ部活動アスリートに焦点を当てた支援体制を構築し、競技力の向上を目指す。

 本年度は構成メンバーのプロジェクトと連携した取組を進め、道内出身のアスリートで構成する北海道オールオリンピアンズと連携し、身体機能の評価・運動など女性アスリートを支援する啓発イベントの開催を計画しており、地方在住アスリートの競技力向上や健康管理に発展させる。

 また、多くのスピードスケートのオリンピアンを輩出する十勝・帯広地域をモデル地区として、高校生部活動アスリートへの傷害予防と競技力向上のためのメディカルチェックやトレーニング指導など複合的なスポーツ医・科学サポート体制を拡充させていく。

 道スポーツ協会が道内競技団体と連携して推進する「中高生のジュニアアスリート強化育成事業」との連携も図り、スポーツ外傷、傷害、疾病の予防や安全かつ効果的な競技力向上に向けた考え方を共有する機会を確保する。

 今後、スポーツ関係団体、道内大学、医療機関、行政等の参加団体を拡充する計画で、オール北海道で地域のアスリート等にスポーツ医・科学の支援を行う体制づくりを進める予定。

 8月末までに専門委員会を開催して具体的な取組内容やスケジュールを固める。6年度から支援対象の拡大や質の向上を図り、本道における支援体制の定着を目指して取組を展開する方針。

 札幌医科大の片寄正樹理事・保健医療学部長は、無月経や骨粗しょう症など女性アスリートに対する医・科学支援やスポーツ外傷の予防に向けた情報が普及していない現状から適切な情報を発信する必要があるとし「スポーツ協会、道、札幌市、医科大学が持つそれぞれの特性を生かし、将来的には全てのスポーツで最適なスポーツ医・科学支援体制を構築したい」と語る。

(道・道教委 2023-07-27付)

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