道小 5年度広域人事調査 他管内経験 成長の糧に 全員が変化実感 活性化に寄与(道・道教委 2023-07-31付)
道小学校長会(森田智也会長)は5年度広域人事に関する調査の集計と考察をまとめた。広域人事終了後2年が経過した教員の全員が「良い変化があった」と回答しており、学力・体力の向上や授業力向上への貢献などの変化を実感していることが分かった。道小は参加教員の多くが学校運営の活性化に大きく寄与していると分析し、制度の有用性を広く周知する必要性を指摘する。
公立小・中学校教職員を対象とする広域人事は平成23年度から開始。教職員の適正配置を促進して学力向上や生徒指導など地域における教育課題の改善に資することで、全道的な教育水準を高めることを目的としている。
平均年齢の高い管内の中堅層の教諭が平均年齢の低い管内の学校に異動し、原則3年間勤務する。異動先で教育実践の中核を担ったあと異動前の管内に戻り、その経験を生かしていく。また、若年層の教諭は平均年齢の高い管内の学校で力量を高めたのち、異動前の管内でその知見を還元する。
調査は①異動3年目終了者本人、異動先校長と異動元校長②1年目対象者本人、異動先校長と異動元校長③広域人事終了後2年経過した本人と異動元校長―の71人中70人から回答を得た。調査は5月1日時点。
制度に参加して良かった点(複数回答)をみると、3年目終了者の100%が「授業力向上」、80%が「学力向上への関与」「授業力向上への関与」と回答している。準備段階や着任後に「困ったことはない」という回答は64・0%で年々上昇し、教育局によるサポート体制に関しても肯定的な回答が多く寄せられた。
3年目終了時の異動元の校長は対象教諭について「大いに貢献(45%)」「貢献できた(18%)」「貢献できた部分がある(36%)」と評価。貢献度の高い項目は「職場の仲間との関わり」「授業力の向上」「学力の向上」で、人事交流が授業や校務改善の活性化に寄与している。
広域人事終了後2年経過した教員の全員が「良い変化があった」と回答。内容は「学力向上」「体力向上」「授業力向上」への関与が100%で「管内、地域の特性等の違いを知り、人的交流を通して教育に対する考え方、個人スキルの向上を実感できた」との報告もあった。
道小は「教師としての意識の変化をバランス良く感じるとともに、学校の教育活動をリードする中心的な役割を担っていると思われる」と分析。制度に参加した教員の多くが教育者としての意識の変化や成長を実感し、元の管内に戻ってその成果を発揮しているとし、授業力向上や体力向上への関与など職場に良い刺激を与え、学校運営の活性化に大きな役割を担っていると指摘する。
また、特別支援学校に対する周知が不十分ではないとの声もあり「特別支援学校への情報提供についても周知が行き届くよう再確認をしていくことで、制度への理解がさらに広がり学校運営の有効な運用と活性化に寄与できる」としている。
(道・道教委 2023-07-31付)
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