高校配置計画地域別検討協〈石狩〉 地元で学べる環境整備を 9~12年度8~9学級相当減(道・道教委 2023-07-31付)
道教委は25日、第2回高校配置計画地域別検討協議会(石狩学区)をオンラインで開催した。市町村教委や公立高校、PTA関係者ら約80人が参加。9~12年度に8~9学級に相当する中学卒業者減となる見通しなどを示した。協議では、当別高校の道CLASSプロジェクトの取組が紹介されたほか「長距離通学の負担を減らすために地元で学べる環境を整備する必要があるのではないか」などの意見が上がった。
はじめに、田中賢一局長があいさつ。同協議会の趣旨を説明したあとに「参加者から多くの意見をいただきたい」と忌憚のない意見を求めた。
引き続き、道教委高校教育課の枝村卓高校配置係長が管内の状況を説明。中卒者数が6~12年に518人減、9~12年に525人減の見込みであることを伝えた。525人は8~9学級相当となる。市区町村ごとの中卒者の状況なども考慮した検討が必要と説明した。
協議で、当別町教委の三澤吏佐子教育長は、当別高について「欠員が出ているが、管内の中でも特色のある学校」として、道CLASSプロジェクトの取組について紹介。
「地域コーディネーターの活躍で、学校と地域で課題共有を行い、成果がしっかりと見えた。今後も教育環境と教育支援を最大限に活用して学校の魅力化に取り組んでいきたい」と話した。
新篠津村の荒谷順一郎教育長は「高校の魅力化よりも先に北海道全体の魅力化を図るべきではないか」と提案。「北海道の1次産業を守るため、農林水産業を学びたい受験生を道内外を問わず受け入れることで、高校の魅力化につながるのでは」と話した。
傍聴者は「子どもたちや保護者が負担なく地元の普通科に進学しやすい環境になっているのか」と疑問を呈した。
千歳市では、公立高校に進学した約19%のみが地元の普通科に進学していることを紹介し「原因は、千歳北陽高校が総合学科になり、市内では千歳高のみが普通科のある高校となっているから」と話した。
また道教委の高校教育に関するアンケートでは、普通科に進学したい中学生が68・8%で保護者は76・7%。総合学科に進学したい中学生は11・5%で保護者は29・0%であることを説明。「普通科のある高校への進学は多くの生徒や保護者の願いとなっている。地元で学べるように、配置計画の再考も含めて、地元の声に耳を傾けてほしい」と訴えた。
他の傍聴者は、石狩学区に関しては削減計画自体は表れていないが、2次募集の欠員の多い学校の間口が減っていることに触れ「現状で、2間口ある高校が3校、3間口が2校。一方で8クラスの学校がある中で、小規模な学校があるのは適正な形なのか」と話し、小規模校の今後への不安をあらわにした。
(道・道教委 2023-07-31付)
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