高校配置計画地域別検討協〈空知北・南〉　奈井江商募集停止再考を　岩見沢　通いやすい新設校に

（道・道教委 2023-08-01付）

高校配置計画検討協議会空知管内

　【岩見沢発】道教委は７月２０日、空知管内２会場で第２回公立高校配置計画地域別検討協議会（空知北学区、空知南学区）を開催した。９～１２年度の４ヵ年で、空知北学区で２～３学級、空知南学区で３～４学級相当の調整が必要となる見通しを示した。協議では、８年度の奈井江商業高校募集停止について再考を求める声や、岩見沢新設校への要望などの意見が上がった。

　空知北学区の協議会は砂川市の地域交流センターゆうで開催。オンライン参加を含め市町教委や公立高校、小・中学校、ＰＴＡ関係者ら約４０人が参加した。

　冒頭、空知教育局の山口利之局長は「地域の声を聞いて、活力ある教育活動を展開していきたい」と参加者に向けて忌憚のない意見を求めた。

　続いて、道教委高校教育課の中村芳宏課長補佐が管内を取り巻く状況を説明。７年度計画では、１学級減とする学科を検討中としていた深川東高校について、総合ビジネス科を学級減に。８年度の計画案では、１学年の在籍者数が３年連続２０人未満となり、中卒者数の現状、地元進学率などを勘案し、奈井江商業高校を募集停止としたことを挙げた。

　９～１２年度の中卒者数の見通しでは、４ヵ年で２～３学級に相当する９６人減となることを指摘。特に滝川市内において欠員の状況等を配慮した公立高校全体での再編を含めた早急な配置の在り方の検討が必要と伝えた。

　協議では、奈井江町の三本英司町長は「学校と地域が連携した取組を行うことによって、生徒が成長し自己肯定感が向上している。地域にとってかけがえのない高校なので募集停止について遺憾に思う」と述べ再考を強く求めた。

　また、奈井江商業高の井添誠二ＰＴＡ会長も「大人の都合で人数だけで判断し、子どもの選択肢を減らすのはいかがなものか」と訴えた。

　深川市教委の吉村理明教育長は「商業的な学習ができるように配慮をお願いしたい」と要望した。

　空知南学区の協議会は空知合同庁舎で開かれた。会場とオンラインを合わせて約４０人が参加した。

　７年度の岩見沢東高校と岩見沢西高校の再編統合については、普通新学科２学級および普通学科４学級を設置。生徒の多様な興味・関心や進路希望等に応じた主体的な学習が可能となるよう、両学科に単位制を導入することを解説した。

　９～１２年度の中卒者数が４ヵ年で３～４学級に相当する１３２人減が見込まれ、市町ごとの中卒者・欠員の状況やこれまでの調整などを考慮した配置の在り方の検討が必要と示した。

　岩見沢市教委の吉永洋教育長は、岩見沢東高と岩見沢西高の再編統合について「定時制が通いやすく、学びやすいようにしてほしい」と要望。また「地域の模範となる形で開校してほしい」と期待した。

　月形町教委の古谷秀樹教育長は、月形高校の本年度の入学者数が１０人を切ったことを伝え「不登校だった生徒が生き生きと学校生活を送っている。支援が必要な子どもを育てられる月形高を残してほしい」と求めた。夕張市の厚谷司市長は「夕張高校は地域連携校として取組を行っており、市民にも必要とされている」と伝えた。

(道・道教委 2023-08-01付)