高校配置計画地域別検討協〈宗谷〉　どこでも学べる環境を　６年度利尻高商業科募集停止

（道・道教委 2023-07-31付）

高校配置計画地域別検討協議会宗谷学区

　【稚内発】道教委は１４日、第２回高校配置計画地域別検討協議会宗谷学区をオンラインで開催した。管内各市町村教委や学校などから３９人が参加。宗谷学区における６年度以降の配置計画案をみると、６年度から利尻高校の商業科を募集停止とした。参加者からは「道教委が学校を核とした地域づくりを推進する以上、学校を存続させ、生徒が場所に関係なく学べる環境整備を進めてほしい」などの意見が上がった。

　開会後、高校教育課の中村芳宏課長補佐が、６年度から８年度までの公立高校学校配置計画案や中卒者の進路動向などについて説明。宗谷学区では６年度に利尻高商業科の募集を停止。１学年１間口になるとした。

　中卒者数については、１２年度までに１００人程度の減少が見込まれていることから、９～１２年度の期間で４０人以上の欠員が生じている場合は学科構成の在り方について検討が必要になるとした。

　配置計画案等に関する協議では、参加者から地域や学校の現状についての意見が上がった。稚内市教委の佐伯達也教育長は、稚内高校の看護科について「卒業者は地域の医療を支える貴重な人材」と強調した上で「本年度からは指導教員がこれまでの１０人から７人に減少しており、来年度には１人が定年退職となる。道内全体の問題とは思うが、看護教員の人材確保を」と述べた。

　中頓別町教委の相座豊教育長は、道教委が学校を核とした地域づくりを推進していることに言及。「授業の専門性を高めることなどを含め、学校の場所に関係なく生徒が学びを深めることができる環境整備を進めてほしい」とした。

　このあと、高校の魅力化事業についても意見協議。浜頓別町教委の泉大吾教育長は「都市部と地方の学校では果たす役割が違う。町と学校が連携を深めたり、教育課程の大胆な編成などが求められるのでは」と述べ、自治体と学校が相互理解を深め協力していく重要性を強調した。

(道・道教委 2023-07-31付)