道教委　５年度全国学力調査結果　小中３教科で改善傾向　端末持ち帰り　全国より遅れ

（道・道教委 2023-08-01付）

道内公立学校の５年度各教科の平均正答率・数（クリックすると拡大表示されます）

　道教委は７月３１日、５年度全国学力・学習状況調査結果を発表した。札幌市を含む道内の平均正答率は小学校の算数、中学校の数学・英語の３教科で全国平均との差を縮め、特に算数・数学で大きく改善した。授業におけるＩＣＴ機器の活用率は全国平均を大きく上回っているが端末の家庭への持ち帰り状況は全国より低く、家庭学習の時間が短い本道の課題もあらためて浮き彫りとなった。

　５年度調査は４年ぶりに中学校の英語を加え、５教科で実施した。調査の実施日は４月１８日で、本道では小学校９４７校、中学校５７１校の計１５１８校、小学校６年生、中学校３年生の計６万９９１６人が参加。実施率は９９・８％。

　各教科の平均正答率の全国平均との差は小学校の算数が２・１ポイントから１・５ポイント、中学校の数学は２・５ポイントから１・７ポイント、中学校の英語は１・８ポイントから１・７ポイントといずれも前回より改善している。

　質問紙調査の結果をみると、家で計画的に勉強をしている児童生徒の割合は全国平均より高いものの、１日１時間以上家で勉強をしている児童生徒の割合は小中いずれも下降した。

　児童生徒の自己有用感に関する数値は小中いずれも上昇したが、自分の長所を自覚している小学生の割合は３９・２％、将来の夢や目標を持っている割合は５９・８％と全国より低かった。

　ＰＤＣＡサイクルを確立している学校は５割以上、授業におけるＩＣＴの使用率は７割以上と全国平均を大きく上回っているが、端末を家庭に持ち帰っている割合は小学校２割、中学校３割でいずれも全国を下回った。

　道教委は今後、本年度の成果や課題、管内別の状況などをより詳細に分析し、１１月末をめどに報告書としてまとめる予定。

(道・道教委 2023-08-01付)