高校配置計画地域別検討協〈渡島〉 適切な定員調整望む声 9~12年度 5~6学級相当
(道・道教委 2023-07-26付)

公立高校配置計画地域別検討協議会(渡島)
公立高校配置計画地域別検討協議会(渡島)

 【函館発】道教委は19日、七飯町の大中山コモンを主会場に第2回公立高校配置計画地域別検討協議会(渡島学区)をハイブリッド形式で開催した。市町村教委や公立高校、小・中学校、PTA関係者ら約60人が参加。9~12年度の4年間で5~6学級相当の定員調整が必要との見通しが示された。協議では、学校や学科の状況に応じた適切な定員調整や函館水産高校の魅力化、高校・特別支援学校におけるインクルーシブ教育の必要性を指摘する声が上がった。

 道教委が6月に公表した6~8年度の公立高校配置計画案のうち、渡島学区では函館水産高が8年度に現行の4学級から1学級減とする方針が示された。

 学区内の地域連携校では、南茅部高校、福島商業高校の本年度入学者数が、いずれも10人以下を下回っており、次年度の入学者数によって再編基準の対象となる可能性がある。

 また、上磯高校の本年度入学者数が15人となっており「地域連携校以外で1年生在籍者数が2年連続20人未満」とされている再編基準を満たすこととなる。

 協議会では、岩澤一史高校教育課主任が9~12年度の計画案を説明。同学区全体で中卒者数337人の減が見込まれるため、公私比率を勘案して4年間で5~6学級相当の調整が必要と指摘し、函館市および近郊市町における定員調整を検討する必要があるとの見解を示した。

 今後の高校配置の在り方に関する協議では、函館地区私立高校長協会会長の髙橋眞理子函館白百合学園高校長が8~11年度における計画的な学級減を要望。生徒の急増期に設置した七飯高校の再編を求めるとともに「5年度公立高校入試のように400人超の2次募集が行われないよう、適切な定員調整を」と求めた。

 意見に対し、七飯町教委の與田敏樹教育長は中卒者数の進路動向や七飯高生の状況などから同校が地域にある必要性を強調。

 中村芳宏高校教育課課長補佐は「全体の中卒者数だけではなく、周辺の状況を踏まえた上で定員調整に配慮する」と回答した。

 上磯高と函館水産高がある北斗市の永田裕教育長は函館水産高の学級減について「時代や企業のニーズに合った学科を考えなければ道の水産業衰退にもつながる」と指摘。「学校だけではなく設置者である道教委が高校魅力化に向けて考えてほしい」と求めた。

 また、上磯高について併置校の北斗高等支援学校と連携して取り組んでいるインクルーシブ教育に関する受け止めを尋ねた。

 中村課長補佐は、学区内で中卒者数の大幅な減少が見込まれている状況を踏まえ「産業界の変化に伴った魅力ある学科となるよう道教委としても協力していきたい」と説明。インクルーシブ教育は高校教育課、特別支援教育課と連携しながら進めていきたいと応じた。

 このほか、特色ある魅力づくりの推進に向けた取組を上磯高、長万部高校、南茅部高の校長から意見を聴取。ICTの積極的活用や大学との連携、地域学等の取組を共有した。

 協議会での意見を踏まえた計画案は9月上旬にも正式決定する予定。

(道・道教委 2023-07-26付)

その他の記事( 道・道教委)

留寿都小 5年度働き方改革実施計画 超過勤務時間5%削減 授業改善核に教育力を向上

表  【小樽発】道教委の働き方改革推進事業の指定を受けた留寿都村立留寿都小学校(三和史朗校長)は、5年度実施計画をまとめた。在校等時間の正確な把握等による超過勤務時間の5%程度の削減、タブレット...

(2023-07-27)  全て読む

コロナ禍の教育活動への影響 将来に備え振り返りを 報告書作成へ道教育推進会議

教育推進会議  道教育推進会議(大野栄三会長)は14日、札幌市内の道第二水産ビルで第9期第10回会議を開き、道教委の活動状況に関する点検・評価報告書の取りまとめに向けて審議した。新型コロナウイルス感染症の...

(2023-07-26)  全て読む

特別支援教育の専門性向上 胆振教育局が独自研修 適切な教育課程編成へ研鑚

胆振局・管内市町教委特別支援担当者当研修会  【室蘭発】胆振教育局は20日、局独自の研修「管内市町教育委員会特別支援教育担当者等研修会」をむろらん広域センタービルを主会場に初開催した。特別支援学級における適切な教育課程の編成・実施など...

(2023-07-26)  全て読む

中教審部会 教員確保へ論点案 学校・教員業務適正化を 授業時数や学校行事見直しへ

 中教審の質の高い教師の確保特別部会は24日に第2回会議を開き、教員の確保に向けて直ちに取り組むべき施策の論点案を審議した。「学校・教師が担う業務の3分類」の実効性向上に向けた国・教育委員会...

(2023-07-26)  全て読む

新時代のへき地教育プログラム 道教大ら4大学 開発着手 小規模校化対応へ標準モデル化

4大学フォーラム  道教育大学、長崎大学、鹿児島大学、琉球大学の4大学は本年度から、全国の教員養成大学で実施できる新しい時代に対応したへき地教育プログラムの開発に取り組む。23日に開催したへき地・離島・小規模...

(2023-07-26)  全て読む

道教委 管理職特別支援教育研修 第2弾 28日まで受付 校内支援体制の確立など

管理職のための特別支援教育に関する研修会第2弾開催バーコード  道教委の管理職のための特別支援教育に関する研修会の第2弾が8月8日、オンラインで開かれる。特別支援教育コーディネーターの養成・育成プログラムに取り組んでいる道教育大学釧路校の田中雅子准教授...

(2023-07-26)  全て読む

秋篠宮ご夫妻 高校生と交流 高校生活動 1年の軌跡伝える 踊り・演奏にお褒めの言葉

秋篠宮様高校生交流  秋篠宮ご夫妻は21日から2日間、5年度全国高校総体(インターハイ)への臨席と胆振東部地震の復興状況視察のため、本道に来訪された。  ご夫妻がそろって来道されるのは平成15年以来20年ぶり...

(2023-07-25)  全て読む

5年度インターハイ総合開会式 若き翼の熱い1ヵ月開幕 全員が主人公として活躍を

インターハイ総合開会式・北海道代表入場  高校生最大のスポーツの祭典、5年度全国高校総体(インターハイ)「翔び立て 若き翼 北海道総体2023」が開幕した。22日、札幌市内の北海きたえーるで開かれた総合開会式には、選手や関係者ら約...

(2023-07-25)  全て読む

渡島局と檜山局 中堅教諭研修 組織経営の最適解探る ミドルリーダーの能力等

渡島・檜山局中堅教員研修 【函館発】渡島教育局と檜山教育局は14日、中堅教諭等資質向上研修第I期をオンラインで実施した。道内4管内の中堅教員がミドルリーダーに必要な能力や校内研修で必要な働きかけについて知識を研鑚。...

(2023-07-25)  全て読む

道教委と道 放課後活動推進協〈道南〉 子の良さに目を向けて 障がいある子の親に寄り添い

 【函館発】道教委と道は14日、第1回放課後活動推進協議会(道南会場)をオンラインで開催した。放課後活動を支える現場の職員らが参加し、障がいのある子どもの親に寄り添った対応を講義や演習で確認...

(2023-07-25)  全て読む