元プロ車いすテニス・二條さん講演　夢を大切にしてほしい　札幌八軒東中　３５０人参加

（札幌市 2023-07-28付）

　札幌市立八軒東中学校（高木浩二校長）で２０日、元プロ車いすテニスプレーヤーの二條実穂さんによる講演会「二條実穂　Ｄｒｅａｍ　Ｐｏｗｅｒ　Ｐｒｏｊｅｃｔ」が開かれた。二條さんは、全校生徒約３５０人に対し夢の大切さを伝えた。

　二條さんは、リオデジャネイロパラリンピックの車いすテニスダブルスで４位入賞するなどの経歴を持つ。元年に現役を引退し、現在はパラスポーツの発展・振興やバリアフリー推進に貢献するための活動を行っている。

　地元北海道の人々に恩返ししようと本年度、未来を担う子どもたちに“夢の力”を伝える「二條実穂　Ｄｒｅａｍ　Ｐｏｗｅｒ　Ｐｒｏｊｅｃｔ」を始動。札幌市教委の協力を得て、市内の小・中学校３２校を対象に順次実施している。

　八軒東中では全校生徒約３５０人が参加し、二條さんの講演に耳を傾けた。

　学生時代はソフトテニスに打ち込み、卒業後は「日本一の大工になりたい」という夢をかなえた二條さん。しかし、２３歳の頃、建築現場の足場から転落し車いす生活を余儀なくされた。

　車いすテニスの存在を知ったのは、７ヵ月間の入院生活中にたった１日だけ外泊した夜。テレビに車いすテニスの様子が映り「入院生活の中に光が見えた」という。そこから「車いすテニス日本代表としてパラリンピックの舞台に立つ」という新たな夢を抱き、世界への挑戦を始めた。

　長い競技人生の中で、８割は苦しいこと・つらいことだったと振り返った。「それでも続けてきた原動力は、感謝の心」と語る。支えてくれた多くの人々に恩返ししたいとの思いで競技に励んだ結果、リオデジャネイロパラリンピック出場の切符をつかみ、夢を実現させた。

　夢をかなえるために大切にしていることとして①心の中の“好き”を大切にする②夢を言葉にし、宣言する③夢の階段を上る④「無理」と絶対に言わない―の４点を伝えた。

　「夢は自分の気持ちを前に向かわせてくれるもの。みんなも夢を大切にしてほしい」と呼びかけた。

(札幌市 2023-07-28付)