ヤングケアラー支援連絡協〈道南〉 どのような支援必要か 関係機関の役割・連絡体制構築(道・道教委 2023-08-07付)
道教委道南ブロックヤングケアラー協議会
【函館発】道教委は7月25日の道南地区を皮切りにヤングケアラー支援に係る連絡協議会をオンラインで開催している。初日は胆振、日高、渡島、檜山管内の小・中学校、高校、特別支援学校長会や市町村教委の代表者、福祉関係の行政職員ら64人が参加し、ヤングケアラーの具体的事例を想定した上で、当事者の継続的な支援に向けた関係機関の役割や連絡体制の構築方法などを管内別に協議。支援に必要な視点や望ましい対応を整理した。
会議はヤングケアラー支援に関わる関係機関の代表者が当事者に対する支援の在り方について協議し、各地域の実情に応じた支援体制の構築に向け、方向性を検討するとともに関係機関の連携を強化することが目的。
5~7年度を計画期間とする道ヤングケアラー支援推進計画を確認した上で、親と死別し、祖父の介護をする中学生の事例を想定した管内別協議を実施。「ヤングケアラーの支援に係る関係機関の役割」「連絡体制の構築」「継続的な支援」の3点について参加者がブレイクアウトルームに分かれて意見を交わした。
各管内からは「継続的な支援に向け、子どもの幸せはもちろん、周囲の家族を支援するため、様々な機関が連携する必要がある」(胆振)、「関係機関の役割分担を徹底すべき」(日高)、「教育現場では、子どもにとって信頼できる大人であるために日々の生活で関係を構築する必要がある」「関係機関のトップが積極的に動き、子どものSOSサインを迅速に受け止める」(渡島)、「当事者が何に困っているのかを正しく理解し支援が必要であることに気付いてもらう丁寧なアセスメントが重要」(檜山)などの意見が上がり、関係機関との連携や早期発見・早期対応につなげるための体制構築を再確認した。
ヤングケアラーコーディネーターで「いぶりひだか児童家庭支援センターしずく」の田中春代センター長は「漁業や農業で生計を立てている世帯は多く、家業の手伝いをするのが当たり前な環境。ヤングケアラーとの見分けが難しい」と管内の特徴を解説した上で「線引きや区別をするのではなく“どのような支援が必要か”という視点を持つことが大切」と助言。
えべつケアラーズの加藤高一郎氏はヤングケアラーに関する知識を正しく理解する必要性を強調し「困り感のある子どもを助けるため、子どもも含め、当事者の特徴や実態を知る啓発が必要」と呼びかけた。
各地区の連絡協議会は道北地区が2日、道東地区が3日、道央地区が4日にそれぞれ開催した。
(道・道教委 2023-08-07付)
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