いじめ調査報告受け道教委　再発防止策　早急に実行　９月　対策組織の状況調査

（道・道教委 2023-08-03付）

　道教委は１日の道議会文教委員会で、道いじめ問題審議会いじめ調査部会調査報告書を示した。いじめ調査部会は、令和２年に道立高校の生徒が自殺した事案に関していじめ行為の存在を認め、道教委と当該学校に対して再発防止策を提言した。これを受けて道教委は近日中に全道立学校長を対象とする緊急のいじめ再発防止会議を開催するほか、９月にもいじめ対策組織の設置状況や取組内容等に関する実地調査・ヒアリングを行い必要な改善策を講じる。

　報告書では、断続的な悪口と当該生徒をやゆしたプリクラ投稿の２行為をいじめとして認定。自殺との関連性は「ないとは断言できない」としつつも、事情聴取、当該生徒への支援、加害生徒への指導体制、対応方針の決定、保護者との連携といった組織的対応の遅れを問題視し、再発防止の対策を提言した。

　学校への提言は①学校いじめ防止基本方針の見直しと情報公開②いじめ対策組織の実効的運用③緊急対応時における積極的な生徒指導―の３点。いじめの認知や生徒死亡の際、直後３日間からの外部専門家による支援が必要とし、重大事態時における生徒への指導・ケアや外部からの助言の在り方の見直しを求めた。

　道教委に対する提言は「文科省の基本方針に基づく学校組織体制への指導助言の徹底」など７点。自殺背景調査といじめ重大事態調査に移行する流れの精査、学校の主体的ないじめ調査につなげるためのスクールロイヤー制度を活用した研修の実施、スクールカウンセラーの緊急派遣体制の整備を求めた。

　道教委の倉本博史教育長は２日、コメントを発表し「未来ある生徒がいじめへの悩みや苦しみを抱える中、自らの命を絶つということは大変痛ましく、極めて重く受け止めている」とした。

　報告書に示された、当該校や道教委の対応等に問題があったとする指摘を受け「道教委として、こうした指摘を厳粛に受け止め、引き続き、道いじめ防止基本方針に基づき、子どもたちの命と心を守る取組を徹底する」とした。

(道・道教委 2023-08-03付)