附属旭川小　学級経営等でセミナー　意思疎通を増やして　保護者との関係など解説

（学校 2023-08-08付）

　【旭川発】道教育大学附属旭川小学校（笠原究校長）は７月２６日、同校で学級経営×授業づくりセミナーを開いた。旭川市の内外から小学校教員３０人ほどが参加。保護者との関係づくりとして小さなコミュニケーションを増やすことや、児童への大事な話は朝に行うことの大切さなどを学んだ。

　はじめに、学級経営に関する取組について発表。丸山賢悟教諭と松田隆之教諭が説明した。

　丸山教諭は「保護者との関係づくり」と題して、行事や参観日、日々の連絡などを通したコミュニケーションの在り方を解説。関わり方の基本の一つとして「小さなコミュニケーションを増やすこと。ちょっとしたことでも報告・連絡・相談を心がけてほしい」と呼びかけた。

　「トラブル・クレーム対応こそチャンス」とし、相手の話を聞く際の技法について「真剣に聞く」「“なるほど”“そうですか”などと相づちを活用する」「“できる”“できない”といった学校の判断は持ち出さない」とポイントを指摘した。

　学級通信の作り方も指南。「文字や写真は大きめに。小さな文字でたくさん書いても読んでくれない」「子どもの作品や文章を紹介すると良い」「時間割や連絡事項とは別に、子どもの姿を伝える項目を設定する」などと、時間をかけ過ぎずにポイントを絞って作成することの大切さを説いた。

　松田教諭は「“すごい”を共有する朝」と題し、黒板を活用して子どもの心を育てることの大切さを指摘。ねらいを「学級全体の心の成長」「私たちのモチベーションの維持」とし、黒板の文字は空白を設けて児童の思考を促すことや、対話を通して価値観を共有することなど、具体的な活用法を示した。

　こうした取組を朝に行うことの意義について「子どもは“早く家に帰りたい”と思うもの。大事な話は朝にするべき」と伝えた。

　説明を受け、参加者が２グループに分かれて交流した。

　「保護者との連絡が取れないときはどうするか」との質問に対し、丸山教諭は「連絡帳やおたよりでアポを取ると良い」と回答。「保護者会の参加者が少ない。どうしたら良いか」との質問には「“行って良かった”と思ってもらえるような工夫を」とアドバイスした。

　後半は授業づくりに関する取組について、田中俊光教諭が「全員参加で学ぶ姿を身に付ける」、佐藤正志教諭が「授業内でのつながりづくり」と題して、誰一人見捨てることなく子ども同士が関わり合いを深められる指導の在り方を説明した。

(学校 2023-08-08付)