まちづくり企画を提案 函西高 地域活性化へ地元住民と 飲食店応援へ「西高割」など(学校 2023-08-16付)
【函館発】函館西高校(古御堂徹校長)の2・3年生が7月下旬、地域活性化に向けた企画を市とまちづくりに携わる企業「はこだて西部まちづくりRe―Design」が主催する「西部地区まちぐらし共創サロン」で市民に提案した。コロナ禍で売り上げが低迷した地元飲食店を応援する「西高割」など経済活動を循環させる取組を提案。実現に向けた資金調達や協賛企業へのアプローチ方法などを地域住民とワークショップで考えた。生徒らは今後、企業や店舗に対する依頼活動を本格化させ、市民が望むまちづくりの実現を目指していく。
歴史的建造物が多く残る西部地区は、市の中心部として多くの観光客が訪れる一方、人口減少や高齢化が進む近年は建物の空洞化や定住人口の回復が課題となっている。
市は令和元年に同地区の活性化に向けた再整備事業基本方針を策定し、市民と行政が連携して取組の検討を行う「共創のまちぐらしプロジェクト」を重点の一つに設定。市民から若者の意見を要望する声があったことを踏まえ、総合的な探究の時間を通して市と連携する同校の生徒が企画を発表する機会を取り入れた。
参加したのは2・3年生15人と市民33人。生徒は高齢化が進み、独り暮らしの高齢者が急病で亡くなるケースが増加していることから、不適切な救急車の利用を減らす啓発活動や地域の魅力の一つである景観をテーマとした写真コンテストの開催、コロナ禍で売り上げが低迷した地元飲食店の活性化に向け、生徒が店舗の売り上げに貢献する「西高割」の導入など6企画を発表。参加者同士でグループディスカッションを行う場も設けた。
2年生の國枝采花さんと牧愛さんは地元の飲食店を利用することで地域経済を回復させることを学び「西高生にお得なサービスがあれば外資系飲食店だけではなく、地元の飲食店に行く機会が増える」と考案。コロナ禍を要因に利用客が減ったと考えられる飲食店にクーポンやスタンプカードなどのサービスを導入してもらうことで、売り上げに貢献しようと考えた。
具体的な活動を進める前に、市民から協力してもらえそうな店舗やイベント企画に向けた資金調達の方法などを市民に相談。協賛企業の募集に関する情報や支援したい店舗のリストを考えた。
同校では国語の依頼文を作成する単元やアイデアをまとめる学習などに探究活動と同様のワークシートを扱った指導を行い、教科間連携を図っている。
生徒らは夏季休業期間中に地元企業や店舗等へ足を運び、依頼文とともに企画実現に向けた活動を進める。イベント等の開催後は、売り上げの増加率や生徒の動線変化などを行政や企業と共に分析し、企画の拡充などを検討する予定。
参加者は「高校生がつぎの見通しを持って提案する姿に熱意が感じられた。このような機会があれば地域ににぎわいが創出できると思う」と期待を寄せた。
(学校 2023-08-16付)
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