剣淵高 道総研と覚書締結 遺伝資源の保護へ 在来鶏33羽 譲渡受ける(学校 2023-08-21付)
剣淵高道総研と協定
【旭川発】剣淵高校(齋藤克幸校長)は、道立総合研究機構(道総研)農業研究本部畜産試験場と在来鶏の譲渡に関する覚書を締結した。4日に同校で締結会が行われ、33羽を導入してニワトリの遺伝資源の保護を進めていく。
道総研は、開発した道内唯一の地鶏「北海地鶏=」の基礎鶏となる名古屋種とロードアイランドレッドを飼育しており、道外では飼育されていない北海地鶏=を守っていく必要がある。鳥インフルエンザの感染が確認された場合はニワトリを殺処分しなければならず、リスクを回避して遺伝資源を守るためにニワトリの譲渡先を探していた。
同校はSDGsの目標達成に向け、環境に配慮した学習を各教科・科目で展開。令和3年度からニワトリの飼育を通した環境学習を実践しており、畜産試験場から名古屋種を導入している。
道総研は同校における一連の取組を評価し、初となる覚書締結を行うこととした。
締結会では、畜産試験場の山口俊昭副場長があいさつ。「今春は鳥インフルエンザが大きな被害と影響をもたらした。万一、試験場で感染が広がると貴重なニワトリの血統が途絶えてしまうため、今回の覚書締結に感謝している」と述べた。
生徒には「実際の飼育を体験し、食への理解と感謝の気持ちを育んでほしい」と期待した。
続いて、荒井泰史教頭があいさつ。「重大な役割に身の引き締まる思い。畜産業の発展と遺伝資源の保護に微力でも貢献できれば」と決意を示した。
最後に、生徒を代表して下山流聖さん(3年)が「地域から注目される実践モデルを築き上げたい」と意気込みを述べた。
今後、雄3羽、雌30羽を畜産試験場から導入して遺伝資源の保護に努めていく。
同校は「飼料は道北各地の未利用資源を用いて持続可能な農業教育の実践とする。また、平飼いによってストレスを与えずに飼育することでアニマルウェルフェア(動物が生きて死ぬ状態に関連した身体的および心的状態)にも配慮していきたい」としている。
(学校 2023-08-21付)
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