運動機会充実へ環境整備推進事業　スポーツレクリエーション部　新規に取組　札幌市教委　推進校５校指定

（札幌市 2023-08-08付）

　札幌市教委は、学校における運動機会の充実を図る環境整備推進事業の本年度実施内容を決定した。新たに「運動機会が少ない子どもが参加できるスポーツレクリエーション部の取組の推進」を位置付け、主に中学校を対象として推進校を５校程度指定する予定。勝敗にこだわらず、運動やスポーツの楽しさを実感できる機会の創出などを進める考えだ。

　市教委は「さっぽろっ子“健やかな体”の育成プラン」に基づき、児童生徒の体力向上に向けた取組を推進している。

　これまでの全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果をみると、市内の児童生徒の運動やスポーツを肯定的に捉える意識に高まりが見られている。一方、実技調査の結果は依然として多くの種目で全国平均を下回っている状況。運動・スポーツの習慣についても、積極的に運動する子とそうではない子の二極化傾向が表れている。

　事業はこうした状況を背景に、学校における子どもの運動に対する意欲の向上、運動習慣の定着を目的に２年度から実施している。

　本年度は①学校において授業以外で子どもの運動機会の創出を図ることができる取組の充実と、それを支える環境整備の推進②運動機会が少ない子どもが参加できるスポーツレクリエーション部の取組の推進③１人１台端末を活用した学習活動、学校と家庭をつなぐ運動習慣づくり、それらの取組を生かした授業づくりの推進―の３点に取り組む。

　①では、授業以外で子どもの運動機会の創出を図る環境整備推進校として、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校から１０校程度指定する。

　新規の②は、市教委と道教育大学が実施している子どもの体力向上に係る調査委託研究における研究成果の普及をねらいとしたもの。４年度、星置中学校の「スポーツレクリエーション部」の活動を通して、中学生の運動習慣の形成を目的とした新しい活動の在り方について検討したものがもととなっている。

　中学校を対象に推進校を５校程度指定し、主に運動部活動に所属していない生徒が体育館や格技室等でスポーツを楽しんだり、勝敗にこだわらず仲間と楽しく運動したりする機会を創出する。

　③では、推進校を５校程度指定。子どもが１人１台端末を持ち帰って家庭学習で授業時の動画を視聴し、これまでに学習した運動の行い方を振り返りながら、次時の課題を見つけたり作戦を選んだりする取組などを想定している。

　今月末ごろに各取組の推進校を決定し、活動を開始する見通しだ。

(札幌市 2023-08-08付)