北理研札幌支部 理科実験研修会 授業改善への参考に 新たに専科講座 実践紹介等(札幌市 2023-08-07付)
6年生「電気と私たちの工夫」の様子
道小学校理科研究会(北理研、松田諭知会長)札幌支部は7月28日、札幌市立西宮の沢小学校で第13回「教師のための理科実験研修会」を実施した。会員45人、会員外81人が参加。本年度から新規に開講した理科専科講座では、専科の特色や講師の実践例などを紹介し、授業改善への参考とした。
研修会は、市内の教諭が対象。児童が理科の授業において楽しく学習を進められるよう、観察や実験の準備や授業の進め方、ポイントを学んでもらうことを目的に、3~6年生の学年ごとに講座を開いている。
4年度から小学校高学年における教科担任制の導入が開始した。本年度は道内小学校761校においても、理科専科教員を配置している学校が、4年度から37校増え172校となった。
一方で、専科経験年数や学生時代に理科を専攻していたかなど、教員内で差異が生じており、指導に当たって悩みや不安を抱える教員が一定数いるという。
こうした課題を受け、札幌支部では本年度、新たに理科専科教員に焦点を当てた実務研修を設置。長く専科指導を務める教員が講師を担い、授業展開や評価方法を紹介するとともに、参加者同士の情報共有や交流を促すことを目指した。
開会に当たり、松田会長があいさつ。研修を通して学んだ実験や観察方法を参考に「普段の指導の一助にしてほしい」と期待。児童が楽しく学習できるようにするために「同じ立場の先生方でたくさん交流して成果を持ち帰っていただきたい」と述べた。
このあと、学年別研修を開始。うち理科専科講座では、専科として勤務4年目を迎えた石山緑小学校の幡宮嗣朗教諭と、2年目になる平岡公園小学校の和田諭教諭が講師として、業務内容や理科専科特有の難しさなどを紹介した。
学年単位で児童を受け持つ大変さに触れた。負担軽減に向けては、2週間ごとの時間割作成を提案。準備や外勤、授業予定を柔軟に変動できる利点を示した。
また、膨大な児童の評価業務に関する工夫も紹介。幡宮教諭は単元テスト、予想・考察、振り返りを材料に「予想を根拠に生活・学習経験が生かされているか」「実験結果をもとに考えを持てているか」などの基準に沿って評価をしている。評価業務を効率化するための独自の工夫として、成果物チェックにはICTを活用。授業内でデジタルワークシートに振り返りや感想を記入する時間を設定し、ノート回収作業を省略。場所や時間を問わず、採点ができる体制を構築している。
和田教諭は、学期ごとのノート集めに基づいた評価を採用。各年度初めには「理科ノートの書き方」プリントを児童に配布し、実験結果の予想、疑問、理由、考察、確かめたいことを記入するよう指示。記述の具体性や主体性などの観点から、評価を与える。高学年の授業では、全単元で和田教諭がテストの採点とノート評価を実施。学級数の多い4年生の授業では、テスト採点を学級担任に依頼するなど、分担して業務に当たっている。
理科専科特有の難しさとしては、特に予備実験や実験準備と片付けが多い点や天候に左右される単元がある点、授業のタイミングと動植物の成長度合いが合わない点などを挙げた。映像教材の活用や担任との連携の強化を通して、柔軟に対応していることを説明。
質疑応答では、時間割作成について「学校行事などの要因で予定より授業進度が遅れた場合には」という疑問に対して「2月下旬に目標到達するよう組み、3月に延長しても良い計画を準備しておく」と回答した。
学年別の研修内容および担当講師はつぎのとおり。
▼3年生
▽じしゃくにつけよう=本郷小・福岡翼教頭
▽物の重さをくらべよう=大倉山小・元起克敏教諭
▼4年生
▽もののあたたまり方=中央小・播磨義幸教頭
▽物の体積と温度=北九条小・福本雄太教諭
▼5年生
▽ふりこのきまり=南小・岡亨教頭
▽電気の生み出す力=美しが丘小・金吉柾弥教諭
▼6年生
▽電気と私たちのくらし=円山小・澁谷宣和教頭
▽水溶液の性質とはたらき=新発寒小・猿田真士教諭
(札幌市 2023-08-07付)
その他の記事( 札幌市)
札幌市円山動物園に西岡国昭建設 暑い夏を乗り切って ホッキョクグマらに氷贈呈
札幌市円山動物園で飼育しているホッキョクグマやチンパンジーは4日、(株)西岡国昭建設から氷を受け取った。同社の加藤健一社長は「人間も暑いと感じる気候。動物たちにも涼んでもらえれば」と話し、...(2023-08-09) 全て読む
札幌みなみの杜高等支援 ダスポ
札幌みなみの杜高支 ダスポ 地域一丸で環境美化 3年生企画のごみ拾い競技 市立札幌みなみの杜高等支援学校(田中進一校長)は7月中旬、第2回ダストスポーツ大会(ダスポ)を開催した。エコ...(2023-08-08) 全て読む
札幌豊明高支と平岸小 MLA研修会 個々のコーチングが課題 多様な協同的学びなど実践発表
市立札幌豊明高等支援学校(小山学校長)と札幌市立平岸小学校(佐藤達也校長)は7月28日、平岸小でMLA(マルチレベルアプローチ)研修会・実践報告会「ひろがりはじめるMLA」を開催した。2校...(2023-08-08) 全て読む
運動機会充実へ環境整備推進事業 スポーツレクリエーション部 新規に取組 札幌市教委 推進校5校指定
札幌市教委は、学校における運動機会の充実を図る環境整備推進事業の本年度実施内容を決定した。新たに「運動機会が少ない子どもが参加できるスポーツレクリエーション部の取組の推進」を位置付け、主に...(2023-08-08) 全て読む
札幌市 もみじ台まちづくり指針案 旧もみじ台南中跡活用 地域意向踏まえ 義務教育学校新設計画など
札幌市は、もみじ台地域まちづくり指針案をまとめ、将来的な土地利用の再編を見据えたまちづくりの方向性を示した。市立もみじの森小学校、もみじの丘小学校、もみじ台中学校を統合し、義務教育学校を新...(2023-08-08) 全て読む
冬季オリパラ札幌招致期成会が総会 地元開催への思い共有 女子スキージャンプ2選手対談
冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致期成会は7月24日、京王プラザホテル札幌で5年度定時総会を開催した。5年度事業計画を審議したほか、伊藤有希選手、佐藤柚月選手(札幌日大高2年)の女子...(2023-08-07) 全て読む
ことし中に計画策定 札幌市食育推進会議 秋元市長に 答申書 健康寿命延伸へ
第4次札幌市食育推進計画案がまとまり、有識者による協議体は7月28日、秋元克広市長に答申書を提出した。ライフステージに応じた健康寿命の延伸につながる食育などを目指す内容で、市はことし中に正...(2023-08-07) 全て読む
札幌市内5~7月熱中症搬送 全体の2割が19歳以下 9日以降も高温 部活動など注意を
札幌市内でことし5月から7月末までに熱中症の疑いで搬送された156人(7月31日時点の速報値)のうち、31人が0~19歳と全体の約20%に上っていることが分かった。市消防局のまとめによるも...(2023-08-07) 全て読む
小学校教科書 候補絞る 札幌市教委 選定協議開く
札幌市教委は3日、第13回教育委員会会議を開き、6年度から小学校で使用する9教科11種目の教科書の選定協議を行った。各教科2~6社の候補の中からそれぞれ1社に絞り込んだ。9日の教育委員会会...(2023-08-07) 全て読む
新琴似リトルシニア 札幌市表敬 やるからには全国制覇 大会への意気込み示す
少年硬式野球チーム「新琴似リトルシニア」の選手24人は7月24日、札幌市役所を表敬訪問した。エイジャックカップ第51回日本リトルシニア日本選手権大会および第17回全日本中学野球選手権大会ジ...(2023-08-04) 全て読む